オカダ・カズチカは“新時代のプロレス”を体現する男 「猪木、馬場。世間のそんなイメージを変える」

現在の新日本プロレスを牽引するIWGPヘビー級王者、レインメーカーことオカダ・カズチカの源流はメキシコにある。

ルチャ・リブレのレジェンドというべきウルティモ・ドラゴン率いる闘龍門に入門したのが16歳の時のこと。2004年にデビューした地はメキシコだった。

ウルティモ・ドラゴンの愛弟子、大型ルチャ戦士として成長するのかと思いきや、オカダはそのポテンシャルを評価されて新日本プロレスへ。さらにアメリカへの長期武者修行を経て“金の雨を降らせる男”として2012年に凱旋帰国を果たす。

この時点で髪を染め、大きくイメージチェンジしていたオカダ。帰国第1戦の反応はいいものだとはいえなかったが、不動のエース・棚橋弘至が持つIWGP王座に挑戦すると、初挑戦にして王座獲得。しかも中邑真輔に次いで史上2番目の若さで、である。

試合を重ねるにつれ、オカダの実力は誰もが認めるところとなった。もはや芸術的ともいえるドロップキックをはじめ、グラウンド技も巧みに使いこなし、ツームストン・パイルドライバーからレインメーカーへの流れはまさに必殺。力強さに加えて華麗さを兼ね備えたスタイルは、新日本、ルチャ、アメリカンプロレスをミックスしたものだろう。

セコンドの外道が言う通り「レベルが違う」活躍によって、新日本プロレスに新しい光景をもたらしたオカダ。ベルトを奪われることもあったが、常に新日本マットのトップ、中心であり続けている。2015年は天龍源一郎の引退試合の相手という大役を務め、プロレス大賞のベストバウトを受賞。2016年には丸藤正道戦で同賞を連続受賞している。どんなタイプの相手とも名勝負を展開してみせるのも、トップの証明だ。

若くして成功しただけにエリートのイメージもあるが、決してそうではない。闘龍門の新弟子時代は、普通なら高校生の年代。身体が出来上がっておらず、基礎体力の練習にもなかなかついていけなかったという。

新日本でも、いち新人として再スタート。デビューが早いためキャリアも長く、叩き上げの一面も持っている。そのことが、試合での対応力と底力にもつながっているのかもしれない。

2016年の1.4東京ドーム大会では、団体最高の舞台でのタイトルマッチで“棚橋超え”に成功。新たに台頭してした内藤哲也とも激闘を展開したオカダの試合は、すべてが“品質保証”のようなもの。今年の1.4ドームでは、ケニー・オメガとの46分に渡る超ロングマッチを制した。

「プロレスといえば猪木、馬場。世間のそんなイメージを変えるのが自分の役目」だとオカダは言う。新時代のプロレスを体現する男が向かい合っているのは対戦相手だけでなく、プロレスの歴史そのものだ。

(C)NJPW

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