何故、プロレスラーは政治家を志すのか? WWE“赤い処刑マシーン”ケインが郡長選挙出馬

アメリカのプロレス団体WWEで「赤い怪物」「赤い処刑マシーン」「悪魔が信頼を寄せる怪物」などの異名を持つケインが、2018年5月に行われる予定のテネシー州ノックス郡の郡長選挙に立候補する意向を表明したことを、現地の複数メディアが報じ注目を集めている。

ケインは自身の政治哲学について「ノックス郡で過去数年間見てきて思ったことは、生活をするには最適な場所なのだが、税収が低いままであるということ。多くの人がここに移ってくることで、税収を増やすことができます。自分の政治哲学は『行政は小さいほうが良い。企業が自由に活動できるように最善を尽くすべき』」と述べている。

もしケインが郡長となった場合、現役を退いて政治活動に専念すると見られており、年収は約2,000万円弱となり、さらに約1,000人の職員と約825億円の予算を管理する立場となる。


WWEの関係者では過去、ジェシー "ザ・ボディ" ベンチュラがミネソタ州ブルックリンバークの市長選で当選を果たし1995年まで務めた。更に1998年にはミネソタ独立党候補としてミネソタ州知事選に出馬し、見事当選。彼の知事としての仕事は一期だけで2002年に任期を終えているが、2005年にWWEの殿堂入りした受賞スピーチの際は、大統領選への出馬にも意欲を見せていた。

そのジェシー・ベンチュラとAWA南部ヘビー級王座を賭けた抗争を展開し、セミリタイア後はWWEの解説者として活動していたジェリー・ローラーは、自身の出身地であるテネシー州メンフィスの市長選に2回出馬したが、いずれも落選した。


夫であるケンゾー・スズキ(現KENSO)のマネージャーとして白塗りの「ゲイシャガール」のギミックで登場し、日本人初のWWEのディーヴァとなった鈴木浩子は、2015年、千葉県船橋市の市議会議員選挙に立候補。定数50のところに73人が立候補する激戦区となったが、4,220票を獲得して当選。立候補の際には「メディア、プロレスの世界などいろいろな経験をした私にしかできないことはたくさんあると思っています。市議になって少しでも恩返ししたい」と語っている。


■史上初のレスラー出身国会議員は“燃える闘魂”アントニオ猪木

多くの政治家を輩出しているプロレス界で、初のレスラー出身の国会議員となったのは、「燃える闘魂」ことアントニオ猪木だ。1989年、「スポーツを通じて国際平和」を合言葉にスポーツ平和党を結成。第15回参議院議員通常選挙に比例区から99万3989票を集めて初当選。史上初のレスラー出身の国会議員となった。当時のキャッチコピーは、「国会に卍固め、消費税に延髄斬り」で、その後、猪木は落選するも、2013年に国政復帰している。


1984年のロサンゼルスオリンピック代表を経てプロレスラーとなり、新日本プロレス・全日本プロレスなどで活躍した馳浩は、1995年7月の参議院選挙に石川県選挙区から自民党の推薦を受けて無所属で立候補し、初当選。現在は6期目となる衆議院議員であり、2015年10月には第20代文部科学大臣に就任し、史上初のプロレスラー出身の大臣となった。

 他にも2001年7月の参議院選挙に比例区で出馬、当選した大仁田厚や、2003年に岩手県議会議員選挙に出馬し、覆面姿で選挙活動を行ってトップ当選したザ・グレート・サスケ、落選したものの、高田延彦や初代タイガーマスクの佐山聡も参議院選挙に挑戦するなど政治家を志すプロレスラーは数多い。


何故、プロレスラーは政治家を志すのか? 政治家になって世の中を良くしたいという気持ちがあるのは当然だろうが、プロレスラーは大衆的な人気や知名度があり、それらが選挙の際の集票力につながるから、という見方もできる。また、プロレスラーはマイクパフォーマンスが上手く、何を言えばマスコミや聴衆の気を引けるかをよく知っているので、プロレスラーは政治家向きといえる。

ケインは果たして郡長選挙に当選できるのか? 来年の選挙の結果に注目だ。


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