アニマル浜口は、単なる「気合いだ!のオッサン」ではなく、本当に男気のある「漢(おとこ)」なのである!

オッス、小生、ファビュラス吉岡。現在50代前半の売れない、モテない、髪ない、の三拍子揃ったライターだゾ!(彼女いない歴29年)これからプロレスとか格闘技についてビッシビッシ書いていくからな!

突然だが、若い人にとって、プロレスラーって存在は棚橋弘至やオカダ・カズチカ、飯伏幸太みたいなイケメンタイプか、長州力や天龍源一郎、真壁刀義のようなバラエティ番組で活躍する人ばかりって思ってないかい?


そんな後者タイプの元祖といえば、アニマル浜口(69)だ! ハチマキを巻いて「気合いだー! 気合いだー! 気合いだー!」と絶叫し、妻と娘・浜口京子から呆れられている姿しか印象にないだろう。しかし小生の目からすると今のアニマル浜口の姿は真実の一つではあるものの、どーしよーもなく昔のカッコイイ姿が目に焼きついている。1982年から「維新軍」入りした浜口は1987年まで、親分たる長州力を支えるNo.2のような存在だった。ターザンのようなワンショルダーのコスチュームに身をまとい、ツープラトン攻撃の名手として知られている。


なぜ、浜口がカッコイイかといえば、当時の新日本プロレスの内紛の詳細はさておき、一応「正規軍」VS「維新軍」となったわけですよ。「維新軍」はいわば新日本プロレス本体からすれば「賊軍」扱い。本当の事情がなんだったのかはよう分からんが、まぁ、見てる側からすれば「軍団抗争」であり、「遺恨のバトル」になるわけだ。当時の新日本プロレスの序列はこんな感じ。


1:アントニオ猪木

2:坂口征二

3:藤波辰巳

4:長州力

5:木村健悟(ここは賛否あるだろうが)


この状態で革命戦士・長州は本体に反旗を翻して維新軍を立ち上げるわけだが、大体人生なんつーもんは「寄らば大樹」や「勝ち馬に乗れ」的なものがあり、不利な側につくのはバカ扱いされるわけよ。でも、それは同時に「男気」というものも感じる。まさに、2015年プロ野球シーズン、ヤンキースから年俸20億円のオファーを受けながらも古巣・広島カープと4億円の契約を選んだ黒田博樹の如き存在である。


で、長州だが、序列4位でありながら反旗を翻し、軍団を作ってしまう。そこに参加したのが、完全に猪木の噛ませ犬扱いされた国際プロレス出身の浜口だ。せめて木村を引き込んだ方が戦力としては充実しただろうが、まさかの浜口である。後に猪木と巌流島で闘うマサ斎藤が長州の参謀格実力派として存在したものの、斎藤はアメリカでの活動があったり、アメリカで逮捕されて1年半拘留されてしまうなど、抗争の際戦力としては計算しない方がいい。そこで結果的に長州が重用する結果となったのが浜口なのだ。維新軍にとっては、マサ斎藤とキラー・カーンに期待したいところだが、この2人は海外での人気もあり、日本国内で常に信頼できる仲間にはなりづらいところがあった。あくまでも「プロフェッショナルな傭兵」のような存在なのだ。


1983年正規軍と維新軍の間で「綱引き対抗戦」が行われた。これは、遺恨のある両軍が4人ずつ選手を出し、リング上に絡まった綱を引き、相手を決めるというものである。この時の結果は以下の通り。左が維新軍、右が正規軍だ。


〇 アニマル浜口 VS 坂口征二 ×

〇 長州力 VS 前田日明 ×

▲ キラー・カーン VS 藤波辰巳 ▲

× 谷津嘉章 VS アントニオ猪木 〇


この対抗戦に浜口は新日本のNo.2たる坂口と当たった。「世界の荒鷲」と称された坂口は196cm、125kg、一方浜口は178cmで103kg。それなのに浜口は敢然と坂口にぶつかり、そしてなんとか反則勝ちを収めた。


その後、長州は浜口を常に引き連れることとなる。維新軍(ジャパンプロレス)が主戦場を全日本プロレスに移した時も、新日時代と同様の状況だ。常に格上との戦いを長州は強いられた。当時の全日本プロレスでいえば、ジャイアント馬場(猪木と同格)、ジャンボ鶴田(若い坂口的存在)、天龍源一郎(藤波的存在)の三強がおり、さらに阿修羅・原、ラッシャー木村もいた。ここに、長州がぶつかる形になるのだが、新日正規軍との闘いと同様の構図である。

なにせ、鶴田と天龍の「鶴龍コンビ」に対峙するのが「長州・浜口」か「長州・谷津」なのだ。さらには「馬場・鶴田」といったコンビとも相対することになる。長州は結局浜口、谷津に頼り、時に小林邦昭に頼った。だが、層の厚い全日本軍団には苦戦を強いられることが多かった。しかも、長州軍団No.3たる谷津はまだ20代後半である。浜口あっての全日本との抗争成立だ。

しかも、全日本プロレスの看板シリーズ「世界最強タッグ決定リーグ戦(1986年)」のチームを見てみよう(Wikipediaより)。


ジャンボ鶴田&天龍源一郎組「鶴龍コンビ」 10点 ※優勝

スタン・ハンセン&テッド・デビアス組「ビッグテキサンコンビ」 10点

ドリー・ファンク・ジュニア&テリー・ファンク組「ザ・ファンクス」 9点

長州力&谷津嘉章組「ジャパンプロレス軍」 9点

テリー・ゴディ&キラー・カーン組 8点

ジャイアント馬場&タイガーマスク組 6点

リック・マーテル&トム・ジンク組「ザ・カンナム・コネクション」 6点

ラッシャー木村&鶴見五郎組「国際血盟軍」 4点

スーパー・ストロング・マシーン&阿修羅・原組 0点>


その前年の1985年も長州はタッグパートナーに谷津を選んだ。浜口はパートナーとしては外されたのだ。確かに、谷津の方が華と将来性はあった。ここで浜口が「なぜオレをパートナーにしないのだ!」と詰め寄ることは可能だったかもしれない。だが、浜口は今でも長州と良い関係を築いているわけで、32~31年前の浜口の対応に「大人」を感じるのである。

というわけなので、皆さま、浜口のことを単なる「気合いだ!」のオッサン、とは思わず、本当に男気のある「漢(おとこ)」だと思っていただきたいのでR(アール)。


文/ファビュラス吉岡(三拍子揃ったライター)


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