43歳、UFCのトップ戦線で戦う「サモアの怪人」マーク・ハントの名勝負列伝

現地時間6月10日、ニュージーランドで開催される「UFC Fight Night」のメインイベントで、地元出身でUFCヘビー級7位のマーク・ハントが同級6位のデリック・ルイスと対戦することが発表され、話題になっている。

3月4日に行われた「UFC 209」でハントは、ヘビー級ランキング3位のアリスター・オーフレイムと約8年9ヶ月ぶりに対戦。元K-1 WORLD GP王者対決として注目された一戦であったが、ハントはアリスターのヒザ蹴りで3R・KO負けを喫し、2008年7月のDREAMでの雪辱を果たせなかった。今大会はハントの再起戦となると同時に、2010年9月にUFCに参戦して以来、母国ニュージーランドにおける初めての凱旋試合となる。

2000年に無名ファイターとしてK-1に初登場したハントは、K-1オセアニアトーナメントを圧倒的な強さで勝ち抜き、2000年、2001年と2連覇を果たす。WORLD GPシリーズに出場すると、世界中の強豪を次々と撃破し、K-1デビュー戦からわずか1年9ヶ月でK-1 WORLD GPを制覇した。

勇猛果敢なファイトスタイルに加え、世界屈指の打たれ強さを誇るハントは、K-1史上トップクラスのパンチ力を持つハードパンチャーでありボクシングテクニックも高い。これまでの格闘技の常識をくつがえす存在から、「スーパーサモアン」「サモアの怪人」といった異名を持つ。また、試合の勝敗に関わらず見る者を熱くさせるファイトが多いため、名勝負製造機としても名高い。

 

■戦いの場をK-1から総合格闘技へ移す

ハントは、2004年から戦いの場をK-1から総合格闘技のPRIDEに移し、初参戦となった吉田秀彦戦では腕ひしぎ十字固めで敗戦。その後、総合格闘技の舞台でもK-1同様ハードパンチでKOを量産したが、元々総合格闘技は未経験であったため、しばらくはグラップリング(組み技)が弱点となっていた。UFC初参戦となった2010年9月の「UFC 119」では、ショーン・マコークルと対戦し1R1分3秒キムラロックで一本負けを喫したが、その後も度々出稽古を行い、北米の総合格闘技ジムで特訓を積むことによりグラップリングが格段に向上。UFCでも結果を残すようになり、ヘビー級ランキングに名を連ねる人気選手へと変貌した。

2011年9月の「UFC 135」では、ベン・ロズウェルと対戦し3-0の判定勝ち。試合では、2R終了間際には腕ひしぎ十字固めを極めかけるなど向上したグラウンド技術を披露し、総合格闘家としての格段の進化を遂げた。2013年12月の「UFC Fight Night: Hunt vs. Bigfoot」でのアントニオ・シウバとの試合では、両者流血の壮絶な殴り合いとなり、最後までどちらも一歩も引かない接戦となった。両者は5分5Rを戦い抜き、判定の結果引き分けとなった。UFC代表のダナ・ホワイトもSNSで「今までの人生でこんな凄い試合を見たことがあるか!?」「ドロー裁定にこんなに満足したことなんてこれまで無かったよ!この試合の勝者は我々ファンだ!」と語った。

2015年11月の「UFC 193」にて、アントニオ・シウバと約2年ぶりに再戦し、1Rに右フックがシウバを捉えてダウンを奪い、そのままパウンドでTKO勝ち。2016年3月の「UFC Fight Night: Hunt vs. Mir」でのフランク・ミアとの対戦では、右ストレート一発でミアを沈めKO勝ち。UFCでも、持ち味は有無を言わさぬパンチでのKOで、勝っても負けても判定決着は極端に少ないのがハントというファイターだ。

 

2016年7月に行われた「UFC 200」では、WWEのブロック・レスナーと対戦し、0-3の判定負けを喫するが、試合後レスナーに禁止薬物の陽性反応が出たことが明らかになり、試合を管轄したネバダ州アスレチック・コミッションは裁定をノーコンテストに変更。レスナーにファイトマネーの10%にあたる25万ドル(約3000万円)の罰金と1年間の出場停止処分を下した。

今回の対戦相手のデリック・ルイスは“ブラック・ビースト”の異名を持つUFCヘビー級トップファイターの一人で、これまでにガブリエル・ゴンザーガ、ロイ・ネルソン、トラヴィス・ブラウンといった強豪を次々と破り、現在6連勝中だ。現在43歳となったハントは、絶好調のルイスを相手に初の母国凱旋試合を勝利で飾ることができるのか。注目が集まる。

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