「この試合のレベルを見ろ」パンクラス王座戦に挑む石渡伸太郎、静かな闘志を燃やす

5月10日の公開練習。小気味いいパンチを打ち込む石渡


 パンクラスのバンタム級王者・石渡伸太郎が、5月28日のディファ有明大会で5度目の防衛戦を行なう。挑戦者はハファエル・シウバ。強豪を次々と下して挑戦権を掴んだだけに、石渡もその強さを認めている。


「立ち技か寝技か、はっきりした展開になると思います。自分は立って、打撃で勝ちたい」


 そう語った石渡は、この一戦に向けムエタイの本場タイでも練習。打撃だけでなく走り込みも徹底して行ない、1日に20km走る日もあったとか。


 この走り込みは、石渡が今回のテーマとして掲げる「基本」にもつながるものだろう。パンチの打ち方などだけではなく「歩き方、立ち方」まですべての基本を見直したそうだ。世界レベルの挑戦者を迎えての試合に向けて、小細工ではなく、根本からレベルアップすることを重視したのではないか。

好調の証か、取材陣にリラックスした表情を見せる場面も


 ケージで試合が行なわれ、ルールもアメリカ同様のユニファイド・ルールを採用。世界配信もされているパンクラスは、まさに世界につながる舞台だ。そこで強豪外国人を相手にタイトルを防衛すれば、世界中のファン、関係者、ファイターに自身の強さを示すことになる。だからこそ石渡は「チャンピオンらしい、強さを見せる」勝ち方を目指しているのだ。


 強い相手とのタイトルマッチに、モチベーションも高い。かつてDEEPとの対抗戦でチャンピオン対決が実現した際、相手の挑発に「殺します」とだけ答え、実際にKO勝利を収めたことがある石渡。単に強いというだけでなく、ここぞという場面での“怖さ”がある選手で、最大の武器はその静かな闘志ではないかとも思わせる。


 その意味で、今回のタイトルマッチも期待は大きい。怒りではないが、ポジティブなモチベーションの高さがある。加えて、日本のメジャーイベントでバンタム級GPが開催されることに関して「この試合のレベルを見ろ」とのコメントも。あらゆる意味で“見せつける”ための一戦。準備は整った。


文・橋本宗洋

続きを見る