インドが今後、プロレス大国になる日も近いかもしれない

現地時間6月18日、WWEスマックダウンのPPV大会「マネー・イン・ザ・バンク」で、WWE世界王者の“インドの怪人”ジンダー・マハルが、前王者の“毒蛇”ランディ・オートンを得意のクハラス(コブラクラッチスラム)で返り討ちにして王座防衛に成功した。


マハルは現地時間5月21日に行われたPPV大会「バックラッシュ」において、WWEのトップ王座戴冠13度を誇る大物・オートンを破り、WWE世界王座を獲得。このタイトル移動劇は、WWE史に残る大番狂わせと言われた。


インド系カナダ人のマハルは、叔父でプロレスラーのガマ・シンからプロレスの基礎を叩き込まれ、2002年にプロレスデビュー。2011年よりスマックダウンに登場し、元世界ヘビー級王者で同じインド系レスラーのグレート・カリと抗争をするなど存在感を発揮。その後、ヒース・スレイター、ドリュー・マッキンタイアと3人組ユニット「3MB」を結成するが、トップクラス入りまで至らず2014年にWWEから解雇される。


WWE解雇後は、アメリカのインディー団体や日本のIGFに参戦していたが、2016年8月、かつて3MBの仲間だったヒース・スレイターから呼び出される形でWWE復帰を果たす。2017年4月18日、WWE王座挑戦権争奪6パックチャレンジに出場し、勝利したマハルは、時の勢いとインド13億人の期待を味方につけ格上のオートンに勝利したのだ。


我々がインド系レスラーと聞いて、真っ先に思い浮かぶのは、“インドの狂虎”ことタイガー・ジェット・シンだろう。シンは、ジャイアント馬場のアメリカ修行時代の師匠で知られたフレッド・アトキンスに正統派レスリングを徹底的に叩き込まれ、1965年にトロントでデビュー。日本では全く無名の存在だったが、1973年5月、新日本プロレスに初来日し、ターバンを巻きサーベルを振りかざす姿でアントニオ猪木らと因縁の抗争劇を繰り広げ、一躍外人レスラーのトップとなった。


1973年11月5日に、シンは有名な「新宿伊勢丹前襲撃事件」を起こす。この事件は、当時の夫人と買い物中だったアントニオ猪木を外国人レスラー数名と新宿伊勢丹前で襲撃し、猪木はガードレールやタクシーのボンネットに頭からぶつけられ、大怪我を負ったという事件。平日の夕刻、大勢の帰宅客で賑わっていた最中での出来事であり、一般の目撃者から警察にも通報され、広く一般まで話題となった。


この事件以後、猪木はリング上でシンに制裁を加えると公言し、猪木対シンの試合は「因縁の闘い」として世間の注目を集めることとなり会場は超満員の観客で溢れた。一連のシン効果により、新日本プロレスはメジャー団体への階段を昇っていったのだ。


そんなタイガー・ジェット・シンが憧れたのが、インドの英雄ダラ・シンだ。1955年に初来日し、外国人レスラーといえば悪役のイメージが強かった当時、反則をやらない正統派のダラ・シンは、日本のファンにプロレスの奥深さを知らしめ故力道山と名勝負を繰り広げた。1968年にはインドで鉄人ルー・テーズに勝利している。


その他にもダラ・シンの実弟であるサー・ダラ・シン、タイガー・ジェット・シンの息子であるタイガー・アリ・シンなどプロレス創世記から現在までインド系レスラーは世界中で活躍している。インドが近年IT大国となった理由として、インド人のアグレッシッブで貪欲な国民性が一因であると言われている。このような性格は、実にプロレス向きでもあり、インドが今後、プロレス大国になる日も近いかもしれない。


■WWE大阪公演「WWE Live Osaka」概要

  • 開催日:2017年9月16日(土) 開場12:00 開演13:00
  • 会場:エディオンアリーナ大阪 (大阪市浪速区難波中3-4-36)
  • 出場予定:中邑真輔、AJスタイルズ、ランディ・オートン、ケビン・オーエンズ、ジンダー・マハル、バロン・コービン、ナオミ、シャーロット・フレアー、ベッキー・リンチ
  • ※出場予定スーパースターは変更される場合があります


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