世界へ羽ばたくか?「パンクラス」史上最速で王座奪取、阿部大治の衝撃

 7月2日、ディファ有明開催された「PANCRASE288」で、王者、三浦広光にKO勝利し新たなウェルター級王者となった阿部大治。キックボクシングなどを経てからのMMA挑戦とはいえ、パンクラス参戦2年、史上最速4戦での日本最高峰のタイトル戴冠は、多くの人々に衝撃を与えた。


 昨年、ウェルター級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチで村山暁洋に勝利し、35歳にして初戴冠となった三浦。パンクラスからスタートし、2000年代半ばからは当時の世界の第2グループだったWECなどで、現在のUFCトップランカーと拳を交えた歴戦の強者。その後ボクサーに転向し連勝を重ね、東洋太平洋スーパーミドル級に挑戦するまでは連勝を重ねた。そんな経験豊かな格闘経験を持つ王者に対して、キックからMMAに転身し、デビュー以来ナチュラルな強さを発揮してきた気鋭の25歳の阿部が、どこまで技術的に対抗できるか?がこの試合の試合前までの焦点だった。

 阿部の強烈な左ローから幕を開けた試合、やや距離を取りながらローキックで試合を作ろうとする阿部に対して、三浦もローで受けて立ち序盤から打ち合いに。


 キックでの勝負を見せた阿部だが、慎重に距離を縮めながら、ワンツーを放つなど強気な姿勢も見せるが、距離が縮まると三浦の強烈な右ストレートが入り一瞬ぐらつく場面も。その後もボクシング仕込みのパンチがアゴをかすめるなどピンチは続くが、阿部も前に出て強引に右を当てに来るなど積極的だ、その後もローの後に三浦の右、左と強烈なフックを被弾、その後も三浦のパンチを一方的にもらい劣勢は続く。


 阿部は事態を打開しようと渾身の右ストレートを放つが、これも三浦が上手く衝撃を抑えカウンターの左フックで反撃、ここまでは技術的な差も含め三浦有利に試合は進行していた。しかし終了約30秒前、さらに攻めようと前に出た三浦に対して強烈な右アッパー一撃で逆転、その後パウンドの嵐で王者を完全に追い込むが、ここは三浦が必死に阿部の足を掴みラウンドを乗り切る。


 三浦のダメージは回復しないまま2Rに突入、スタンドでの攻防も明らかに動きが鈍い相手に対し、開始20秒阿倍の強烈なハンマーのようなフックに三浦はダウン、即レフェリーが試合と止めた。


 団体最速で王者となった阿部は「9月のUFC JAPAN」への参加をアピール。しかもこの試合はUFCファイトパスで全世界に配信されたこともあり「Daichi Abe」の名前が世界に出るキッカケとなったのは確かだ。


 三浦戦を振り返ると、特にボクシング技術においては相手に圧倒されていた場面を多く、テクニックよりは持ち前の突破力で相手を粉砕した印象さえある。阿部のアグレッシブで真っ向勝負に強いスタイルは、見る側にとっては実に魅力的だが、今後世界の舞台に登り詰た場合にこのスタイルでどこまで通用するかは、期待半分、懸念材料も多く抱えているようにも感じられる。


■『PANCRASEこれが世界標準だ!PANCRASE BEST』放送

<対戦カード>

◆PANCRASE 282 2016年11月13日 ディファ有明

フライ級 5分3ラウンド  中井りんvsシャーリーン・ワット

◆PANCRASE 283 2016年12月18日 ディファ有明

ストロー級 KOP タイトルマッチ 5分5ラウンド  砂辺光久vs北方大地

◆PANCRASE 286 2017年4月23日 ディファ有明

バンタム級 3分3ラウンド 瀧澤謙太vs神田T800周一

◆PANCRASE 287 2017年5月28日 ディファ有明

フライ級 5分3ラウンド 若松佑弥vs古間木崇宏

フェザー級 5分3ラウンド 日沖発vs田中半蔵

ストロー級 QOP タイトルマッチ 5分5ラウンド 朱里vsキンバリー・ノヴァス

バンタム級 KOP タイトルマッチ 5分5ラウンド 第2代王者 石渡伸太郎vsハファエル・シウバ

◆PANCRASE 288 2017年7月2日 ディファ有明

ウェルター級K.O.P.T. 5分5ラウンド 三浦広光vs阿部大治

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