“プロレス界の夏の風物詩”新日G1 記憶に残る名勝負、名シーンを振り返る

新日本プロレスで開催される最大級の大会であり、「プロレス界の夏の風物詩」「真夏の祭典」として全国的に知られているG1 CLIMAX。今年は7月17日開催の北海道立総合体育センター開幕戦(15時~AbemaTVで生中継)を皮切りに、8月13日の両国国技館での優勝決定戦まで全15会場、全19大会で開催される。


1991年に第1回大会が開催され、今年で27回目の開催となる同大会。基本的にはヘビー級、ジュニアヘビー級を問わず、新日本プロレスの最強選手を決めるシリーズだが、他団体やフリーの選手、外国人選手も参戦している。


これまでのG1 CLIMAXの26年に及ぶ歴史の中で数々の名勝負、名シーンが生まれたが、まず思い出されるのが、1991年・第1回大会の優勝決定戦だ。それまで武藤敬司、橋本真也、蝶野正洋の闘魂三銃士のなかで三番手だった蝶野が、パワーボムで武藤敬司を破って優勝した瞬間、興奮した観客がリング上に大量の座布団を投げ入れ、リングを埋め尽くした座布団に倒れこんだ蝶野は、しばし優勝の感激を噛みしめていた。


第1回大会は、途中で長州力が欠場し、当時IWGP王者だった藤波辰爾が武藤敬司に初めて負けるなど闘魂三銃士が主役に躍り出て、世代交代を印象づけた大会でもあった。翌1992年の第2回G1は、新日本とWCWの提携により、復活したNWA世界ヘビー級王座の新王者決定戦も兼ねて開催され、WCWの外国人レスラーが大挙参戦。日米対抗戦という雰囲気になるなか優勝戦に駒を進めたのは、首の故障に苦しみながらも執念で勝ち上がってきた蝶野と、WCW・USヘビー級王者だったリック・ルード。


試合はルードのノラリクラリとしたペースで進んでいくが、セコンドに付いていた武藤、橋本、長州らが激を飛ばす中、奮起した蝶野が得意のフライングショルダーで3カウントを奪うと会場は大爆発。蝶野はG1 CLIMAX2連覇を成し遂げるともに、日本人ではジャイアント馬場に次ぐNWA世界王者となった。


その後、蝶野は1994年の第4回、2002年の第12回、2005年の第15回と、通算5回のG1最多優勝記録を持ち、「ミスターG1」「夏男」の称号をほしいままにした。1995年の第5回大会では、武藤敬司と橋本真也が優勝戦へ進出。両者の意地がぶつかり合う一進一退の激闘の末、武藤が執念のムーンサルト2連発で勝利し、G1を初制覇するとともに「IWGP王者はG1で優勝できない」というジンクスを初めて打ち破った。


試合後に「武藤敬司は、ますます爆進します!」と叫んだ武藤は、G1制覇から約2ヶ月後に行われた新日本プロレス VS Uインターの全面対抗戦で高田延彦も撃破し、この年のプロレス大賞MVPも獲得した。


闘魂三銃士の中で唯一、G1制覇に届かないでいた橋本真也は、1998年の第8回大会の優勝決定戦で山崎一夫と激突。山崎の関節技とキックに大苦戦した橋本だが、初優勝に懸ける執念が上回り、垂直落下式DDTで山崎をマットに沈めた。8度目の出場でG1初制覇を成し遂げた橋本は、試合後に最高の笑顔を見せてくれた。


2003年に開催された第13回大会の決勝戦に駒を進めたのは、新日本プロレスの天山広吉とプロレスリング・ノアの秋山準。両者が持ち技を出し尽くし、30分を超えた激闘は、天山が新技アナコンダバイスで秋山を撃破し悲願の初優勝を果たす。天山は翌年の第14回と2006年の第16回の計3度、G1を制覇しており、G1には21回の最多出場、G1通算勝利も66勝と輝かしい記録を保持している。


近年はバラエティ番組や大河ドラマに出演するなど、プロレス以外の活動も盛んな真壁刀義は、2009年の第19回大会の優勝決定戦で中邑真輔戦と激突。ヒールユニットのG・B・Hを率いていた真壁だが、この試合中に観客から「マカベ」コールが沸き起こり、その熱い声援を背に真壁はポスト上段からのキングコング・ニードロップで中邑を仕留めG1初制覇を果たした。


試合後の優勝者インタビューでは「本当はよ、おめぇらみてぇなやつらによ、言いたくねぇんだけどよ。今回ばかりはよ、サンキューな!」とコメントした真壁は、さらなる「マカベ」コールを浴び、その後、ヒール、ベビーフェイスを超越した存在になっていく。


2012年の第22回大会では、オカダ・カズチカが初出場で初優勝、最年少優勝記録を更新し、昨年の第26回大会では、ケニー・オメガが初出場で初優勝、大会史上初の外国人優勝という偉業を成し遂げた。今年のG1 CLIMAXは、飯伏幸太の2年ぶり参戦や、永田裕志最後の出場など話題も多く、後世に語り継がれる名勝負や名シーンが数多く生まれることを期待したい。


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