内藤哲也は既に次のレベルを見ている G1優勝後に脳裏に描く一手は?

 8月13日、内藤哲也がケニー・オメガを下し「G1 CLIMAX 27」を制した。2度目の「G1」戴冠となった内藤の今までの激闘を振り返る「祝・G1優勝!緊急編成で送るG1優勝者ベストバウトPART1」が放送(8月18日(金)21:00~AbemaTV)される。

 14日、優勝決定戦からの一夜明け会見が行われた。内藤の発言は、一般に言われる“制御不能”とはかけ離れた「新日本プロレスのトップ」を自ら示すような一本筋の通った発言が並んだ。


 今回の「G1 CLIMAX」開催前より、この大会の優勝を「強力なジャンプ台」と表現して来た内藤。その際は具体的なことには言及はしなかったが、「オカダ? IWGPヘビー? 東京ドームのメインイベント?この3つで言ったら、ダントツで東京ドームのメインイベントですよ。ボクは立ったことがないですからね」と、有言実行を達成した。今回ばかりはそのジャンプ台が、来年2018年1月4日の東京ドームのメインイベントであることを認め、改めて前回優勝の翌年、2014年のドーム大会での「メイン降格」の件への恨み節を滲ませながらも、今回こそ2018年東京ドームのメインに立つことを宣言した。


 今回の会見で内藤は何度も「口に出さなければ伝わらない」という表現と共に自分の思いの丈を語ったが、驚く程建設的な提案ばかりが目立った。


 まずは、終わったばかりの自らが制した「G1 CLIMAX」について。現行の19大会ありきのスケジュールと、両ブロック20人もの選手が本当に必要なのか?という問いかけだ。


 内藤のいうところの選考基準の曖昧さ、悪い言い方をすれば数合わせという指摘。「相応しい選手をまずピックアップした上で、何大会必要だから、『G1 CLIMAX』はこれだけやりましょう」というのが、正しいのあり方なでは?」という言葉は至極真っ当だ。


 大会自体が連戦続きでハードな印象もあり、それがまたG1ならではの波乱を生み出しているが、オカダカズチカのように試合後半に大きなダメージを負った選手も少なくない。表向き試合には出ているがほぼ全員の選手が満身創痍と言ってもおかしくない現行のスタイルへの一石を投じる発言ともとれる。


 特に例年通り1.4に向けて発行されるIWGPヘビー級選手権への挑戦権利証に関しては、ロサンゼルスのUSトーナメントとG1で連敗した石井智宏を逆指名しつつも、東京ドームのメインイベントに関して「俺が挑戦したいという選手が、いれば口にだすべき、言わなければ誰にも伝わらない」とコメント。競合が増えてもなお自分が来年の東京ドームの主役という強い自信に裏付けられた言葉にも感じられた。


 さらにその発言は、現在率いているロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのユニットのあり方にまで言及している。かつて蝶野正洋が率いたヒールユニット「nWoジャパン」を引き合いに出されると「あれのパクリをしてるのか?みたいな、同じようには見て欲しくはないですね」と釘を刺した。その上で、ユニット内でオカダに挑戦を表明しているEVILに対しても「EVILがオカダに勝った。あのインパクトは大きかったですし、凄い刺激になりましたからね。我々ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンは同じユニット内でも、常に競い合ってますから。別に、仲間割れをするとか、そんな話じゃないですよ。それぞれがみんな一番になろうと競い合ってると。いい相乗効果になってると思いますね」と、改めてユニット内に序列が無いことを強調した上で「EVILが挑戦したいのであれば、その通り進めばいいですよ。一番大事なのはドームのメインイベントに、内藤哲也が立っていること」と語る。結果によっては、「同門対決のドーム大会もあり得る」と想像力が膨らむが、現状の内藤にはそのようなしがらみすら無い印象だ。


 いわゆる正統派からのヒールターンと言われがちな内藤哲也のロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンでの活動だが、その試合内容や発言、態度などとはまた違った軸で、新たなレスラー像、ユニットの形、ライバルおよび競合と競い合いなど次のレベルを見据えた発言が目立った。内藤が、脳裏に描く一手が非常に気になる会見だった。

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