「世界で最も稼ぐボクサー」「プロキャリア無敗」フロイド・メイウェザーのキャリアを振り返る【メイウェザー対マクレガー 世紀の一戦】

現地時間8月26日に開催されるボクシング元世界5階級王者、フロイド・メイウェザー・ジュニアvsUFC、2階級王者コナー・マクレガーの「世紀の対決」。過去にも様々な異種格闘技戦が開催されて来たが、49戦無敗のボクシング王者と最も旬な総合格闘技ファイターとの対戦は、TVゲームの世界では可能でも実現は100%無理とも言われていた。しかし、約1年半にもおよぶ両者の舌戦や、水面下での交渉、様々な条件をクリアし米国・ラスベガスのTモバイル・アリーナで決することとなった。


現代の「モハメド・アリvsアントニオ猪木」にもなぞられるこの試合。実際記者会見でマクレガーが、この「アリvsイノキ」を引き合いに出したが、当時東洋のプロレスラーが現役ボクシング世界王者に挑んだ試合とは、明らかに時代も動くお金も違いすぎる。そのような意味でも、このメガファイト全世界必見の対戦カードといえるのではないだろうか。そこで改めてフロイド・メイウェザー・ジュニアのキャリアを振り返りたい。


フロイド・メイウェザー・ジュニアは1977年生まれの40歳。父親が名トレイナーのF・メイウェザー・シニアで、元2階級王者のロジャーとジェフという叔父を持つボクシング界のサラブレットだが、幼少時代は決して裕福な生活ではなかったようだ。父親が服役、母親が麻薬中毒と家庭環境も悪くおばあちゃん子ということも、彼のその後のパーソナリティに影響を及ぼすこととなる。


しかし、幼い頃からボクシングの英才教育を受けていた彼は、アマチュア時代に次々と金字塔を打ち立てる。この時期は何度か負けを経験しており、アトランタ五輪では、ジャッジの不可解な裁定に泣き、銅メダルに終わっている。


フロイド・メイウェザーの才能が大きく開花したのは、プロに転向してからだ。ディフェンス重視のスタイルで確実に勝利をもぎ取る熱量に欠けた試合は、賛否両論を呼んだが「プロキャリア無敗」という歴史に残るボクサーとして数々の記録を残した。


1996年スーパーフェザー級でボクシングキャリアをスタートすると、18試合目でWBC王座を獲得。8度の防衛の後にライト級に転向しWBCライト級王座を獲得し3度の防衛、続くWBCスーパーライト級、IBFウェルター級と次々と階級を上げ4階級制覇。さらにWBCのウェルター級も獲得し、WBC史上初の4階級制覇王者に。


さらにスーパーウェルター級に階級をあげ2007年には当時最もホットな「世紀の対決」と言われたオスカー・デ・ラ・ホーヤとの対戦を判定で制し5階級王者を達成。その後は、ウェルター級に専念、翌年には一度引退し王座を返上するが、2009年に復帰した。それ以降の試合では多額のファイトマネーやPPV契約数の話題や、相手への不意打ちでの疑惑の勝利(2011年ビクター・オルティス戦)などダーティーなイメージが定着し始める。


この頃から内縁の妻への暴行での逮捕での実刑判決を受け、プライベートでも問題を起こし2012年には刑務所に収監。その一方で2013年にはケーブルテレビ局ショウタイムとの200億円契約など試合ごとにファイトマネーが吊り上がる「世界で最も稼ぐボクサー」として注目、世界的にも大きな注目を浴びたWBO世界ウェルター級王者マニー・パッキャオとの王座統一戦にも勝利し3団体統一王者になり、史上空前ともいえる約280億円のファイトマネーを手にすることとなった。ボクサーとしての引退試合は2015年9月12日のWBA世界ウェルター級暫定王者アンドレ・ベルト戦で、この試合でも勝利したメイウェザーは、プロデビュー以来49戦負け無しで2度目の引退とともにそのキャリアを締めくくった。


引退後のメイウェザーは、インスタグラムに毎日のように高級車を乗り換えたり、豪華な暮らしぶりを披露する金満アピールキャラに。その後、SNSを巧みに利用し、のし上がってきた総合格闘家コナー・マクレガーに何度となく絡まれるようになる。


最初こそボクシングとの大きな開きのあるMMAファイターとの対戦で得るファイトマネーなどを理由に噂を否定していたメイウェザーだが、ボクシングライセンスを獲得し挑発し続けるマクレガー側とのメディアやネットを通じた罵り合いに炙り出されるように6月14日両者の対決が「正式に決定」と自ら発表した。


この対戦は、メイウェザーのフィールドである12回戦のボクシングマッチとして行われる。コナー・マクレガー29歳、メイウェザー40歳と年齢に10歳の開きがあり本人も「俺は若くない」と公で発言し予防線を張っているが、アマチュアでのボクシング経験しかないマクレガーが、2年前まで現役のボクシング世界王者に挑むのはやはり「無謀」との意見が圧倒的に多い。


開催から約10日前になり10オンスのグルーブから8オンスの軽いグローブに変更することが認められパンチがより打ちやすい状況となった。このルール変更でマクレガーが短期決戦を狙ってくると言われている。ディフェンシブなメイウェザーのスタイルが故に「マクレガーのパンチが当たるか、当たらないか?」というのも一つの見どころといえるだろう。

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