青木真也、格闘技選手のセカンドキャリアを考える パンツ一丁で稼ぐって大変だ

こんにちは。青木真也です。スポーツ選手のセカンドキャリアが話題にされることが多々あります。とりわけ格闘技選手は、競技としての歴史も短く、ジャンルとしての力も強くないのでセカンドキャリアが限られます。現役生活を送っている多くの選手が、不安を憶えているのではないかと思います。


僕自身も選手活動を終えた時に、何をすればいいのかと不安になる時があります。収入としてもそうだし、生き甲斐としても選手活動がなくなると不安はあります。ぽっかり穴が空いて、それを何で埋め合わせたらいいのか。引退後に、悪い薬に手を出してしまうスポーツ選手のニュースを見て、同意はできないけども理解はできてしまう自分がいます。ダメなんだよ。ダメなんだけどもね。


格闘技選手を見ていると、セカンドキャリアは大きく分けてジム運営、整体(接骨院)になります。今までやって来た格闘技を生かすという部分ではジム運営が最適だと思います。とは言ってもジム運営なので、選手としての能力とは別の部分が問われます。ジム運営はサービス業です。自分中心で行う選手活動とは真逆です。今の自分にそれができる自信がまったくないです。


セカンドキャリアとしてジム運営を考える場合には、選手活動中に指導キャリアを並行していくことが理想的です。選手引退後にいきなりジムを始める場合もありますが、選手活動中に指導者としてのキャリアをスタートしておいた方が、引退後に始めるよりはスムーズなはずです。

僕の選手仲間でもジムを運営している選手もいます。個々楽しそうです。

そんな話を書いていたら、僕の故郷・静岡で格闘技仲間がジムをスタートします。修斗でチャンピオンになり、現在はパンクラスで活動されている室伏シンヤ選手と兄、カツヤ選手が運営する「SUBMIT MMA」。そこまで知名度があるわけでもないし、飛び抜けて強い選手でもない両選手が地元静岡でジムをスタートさせる。これは地方で格闘技選手を続ける選手のヒントになるし希望なのではないかなと思います。


彼らは仕事を持ちながら、スポーツクラブや体育館を間借りして、格闘技スクールを開設したのが2009年。今回、常設としてジムを開設するに至る。選手活動、仕事、スクール運営と、どれか一つ取っても大変なものを両立してきたことにアッパレです。


豊かになってほしいと本気で思います。格闘技に関わった人は豊かになってほしい。経済的なモノサシではなく、幸福度の高い人生になってほしいなと思います。もちろん自分自身も。格闘技って強くなるもの以上に豊かになるものだと思っています。


セカンドキャリアと偉そうに書いてきました。ですが、11月の試合(ONEチャンピオンシップ・ウェルター級世界戦 VSベン・アスクレン)に向けた恐怖でそれどころではありません。海外からプロモーション映像の撮影スタッフがきての撮影。渋谷のスクランブル交差点で、裸でシャドーボクシングしてきました。試合をする怖さを知ってしまうと大概のことはできてしまうものです。パンツ一丁で稼ぐって大変だ。

文/青木真也(格闘家)

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