郷野聡寛あらためGONO、43歳のラストスパート GRABAKAに戻り、12年ぶりのパンクラス参戦

日沖発vs高谷裕之のフェザー級大物対決、その日沖を倒した田中半蔵のタイトル挑戦査定試合など注目カードが並んだ10月8日のパンクラス(ディファ有明)で異彩を放つのが「アキラvsGONO」のマッチメイクだ。

(9月12日、GRABAKAでの公開練習にて盟友・菊田早苗、KEI山宮と。全員40代にして現役だ)


アキラはタイトル戦線に絡んだこともあるランキング3位の30歳。対するGONOは、試合前日が43歳の誕生日だ。「GONO」とは、郷野聡寛の新リングネーム。メジャーリーグから日本に戻り、日本ハム入りした新庄剛志の登録名「SHINJO」オマージュとのこと。


かつて外敵集団GRABAKAの中核メンバーとしてパンクラスマットを席巻、PRIDE武士道やUFCといったメジャーの舞台にも参戦してきた郷野。近年はブラジルで練習し、海外で試合をすることが多かったが、今回12年ぶりのパンクラス参戦が決まった。

(ハードなサーキットトレーニングは「やっておくと精神安定剤になる」と郷野)


しかも現在、練習しているのはGRABAKA。一度はやめたジムへの“出戻り”だ。「正直、やめた時に感情のもつれはあった。引きずってましたよ」と郷野。しかし海外で必死に練習するうち「細かいことはどうでもよくなった」。そんな時にGRABAKAのトップである菊田早苗から「ブラジルで頑張ってるんだって。また、飯でも行こうよ」というメールが届いたのだそうだ。

「どういう環境でも応援する気持ちは変わらない。僕はわだかまりとか、良くも悪くも持続しないタイプなので」と笑う菊田。「またこうやって練習できて楽しいですよね」と郷野も言う。遠慮なく練習できる、とも。


とはいえ、懐かしさにひたっているだけではない。12年ぶりに上がるパンクラスはリングからケージに変わり、参戦メンバーも様変わりしている。郷野も「感慨深いと言いたいところだけど、別物になってるから。初の舞台、海外で試合をするような気持ち」だという。


リングネームをGONOに変えるのは、新庄のように海外から戻って、最後にもう一花咲かせたいという思いからだ。2012年、アメリカのベラトールで引退表明したものの復帰、そこから大きな結果が残せていない。

「70kgに落として最初の試合(2010年の)ジャダンバ・ナラントンガラグ戦が本当にひどかった。心身ともに健康を失ってたので。あれがなかったらもっといい人生だったのにっていう思いは消えないと思う。でも少しは挽回したい」


そして最後の目標は、もう一度ベラトールで試合をすることだ。

「ベラトールで(試合後の会見で)引退すると言ったら、記者の人たちがスタンディング・オベーションしてくれた。あんなにいい引退はなかったのに、そのあと復帰しちゃったんで。“やっちゃった”という後ろめたさがある。もう一度、あそこに戻って終わらせたい」


43歳、ファイターとしては若くない。トップを目指すためだけでなく心残りを払拭するための闘いでもあるだけに、若い選手とはスタンスが大きく違う。とはいえこれも、ファイターの一つのあり方。最終的に問われるのはどんな試合をして、どんな結果を出すかだ。「こうなるのが運命だったのかな」と戻ってきたGRABAKA。そこで記者陣に公開した練習はハードなサーキットトレーニング。やはりそこには、懐かしさ以上の厳しさがあった。

文・橋本宗洋


「PANCRASE290 10.8 ディファ有明大会」は10月8日(日)15:00~AbemaTVで生中継

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