東京女子プロレス、初代タッグ王者は坂崎ユカ&中島翔子 クビドル・伊藤麻希は新グループ結成?そして婚勝軍は解散に

東京女子プロレスのタッグ王座「TOKYOプリンセスタッグ」の初代チャンピオンを決めるトーナメント決勝戦が、10月14日の横浜ラジアントホール大会で行なわれた。


8チーム参加のトーナメントを勝ち上がってきたのは、坂崎ユカ&中島翔子の「みらクりあんず」と、辰巳リカ&黒音まほの「どらごんぼんば~ず」。試合開始直後からタッグマッチらしい目まぐるしい攻防を展開、辰巳が得意のドラゴンスリーパーを仕掛けて大チャンスを迎える。しかし坂崎がこれに耐え抜き、619での挟み撃ちなど好連携を見せる。フィニッシュも中島のアシストを得て坂崎が決めたマジカル魔法少女スプラッシュ(スワンダイブ式旋回ボディプレス)だった。

試合時間は20分7秒。通常の試合時間20分だったら決着が付かなかったことになる(この決勝は時間無制限)。それくらい両チームの実力が拮抗していたし、20分間ノンストップの闘いを繰り広げる技量があったわけだ。


坂崎はシングルに続いて2度目の戴冠。中島にとってはキャリア初のチャンピオンベルトだ。これまで1.4後楽園で2年連続メインを張るなどトップ戦線で活躍してきた中島だが、どうしてもベルトには手が届かなかった。それだけに「ベルトって重いですね。体じゅうが痛いけど、これが達成感かぁ」と感慨深げ。


2人は以前「闘うコメディアンズ」として活動していた東京女子プロレス最初の本格的タッグユニット。大会の前説を担当していたこともある。そのコンビ歴の長さ、阿吽の呼吸が勝因だったのだろう。もともとお笑いの道を目指していたという経歴もあり、最初は本格派とは思われていなかった。そんな2人が個人技でも連携でも見事な動きを見せ、ベルトを巻いたのだからドラマチックだ。


また坂崎と辰巳は同じ音楽ユニットだったことがあり、2013年のDDT両国大会にゲスト出演したことも。東京女子プロレスに入門したのも2人一緒だった。やはり色眼鏡で見られそうな経歴なのだが、実際に試合を見ればチャンピオンの座を争うにふさわしい実力を持っていることが誰にでも分かるはず。そして辰巳の成長に引っ張られるように、“闘う屍”こと黒音も活躍度を増していった。


個性派どころか異色も異端もすべて受け入れる懐の深さ。その中で、体格的にも能力的にもトップアスリートとは言えない女性たちが独自の努力と創意工夫で自分にしかない魅力を発揮していく。そんな東京女子プロレスの象徴とも言える闘いが、このタッグ王座決定戦だった。


東京女子プロレスでは昨年1月にシングル王座が制定されて以来、明確な目標ができたことで選手が急速に力をつけてきた。辰巳は「自分のウィキペディアにタイトル歴を載せたい」と、いかにも現代的な野望を抱いている。今回タッグチャンピオンが決まったことで、選手の目の色はさらに変わるはず。


トーナメント最終日だからなのか、この日はタッグ戦線に異変があった。NEO美威獅鬼軍の沙希様(様までがリングネーム)はシングルプレイヤーとなる模様。また「婚活で強さを手に入れ、結婚につなげる」ことを目的に結成された婚勝軍(滝川あずさ&のの子)は解散に。結成から約一年たつのにプロレスでも婚活でも結果が出ていないことを指摘されての解散で「考えてみたら婚活を長く続けるのはよくないこと」(滝川)と現実に気づいてしまった模様だ。

2人は試合後の会見で、ともに実力をつけ、結婚して「人妻軍」として再結成することを誓ったが、あまりの悲しさにのの子は数年前の某議員のごとく号泣。また滝川は記者陣に結婚願望が本当にあるのかと詰問され「結婚願望は...あります!」と聞き覚えのある返答。こうして、東京女子プロレスの名物タッグは儚く散った。

そして女子プロレスに欠かせない選手の1人、この夏にアイドルグループLinQを卒業し、クビになったアイドル“クビドル”を名乗る伊藤麻希にも新展開が。同じフリーの瑞希を引き入れて結成した「伊藤リスペクト軍団」で、アイドルグループとしても活動していくという。「メンバー増やして、話題も作りまくる!」と伊藤。どうやらソロデビュー計画がまったくもって話題にならなかったことによる路線変更のようだが、本人によれば「伊藤はやらないことを選ばない」。アイドル活動にあたってのマネジャーは東京女子プロレスの甲田哲也代表に押し付け、「以上私たち、伊藤が好きなアイドル、伊藤リスペクト軍団でした!ありがとうございました!」と、なんとなくアイドル声で挨拶していた伊藤と、ひたすら戸惑う瑞希。これはこれでインパクト絶大であり、試合も面白いので文句のつけようもないと思わせるのが伊藤であり東京女子プロレスなのだ。


文・橋本宗洋

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