ユーチューバー草なぎと対戦!ネット上も大注目の「引きの強さ」を持つ男、ガンプロ代表・大家健とは

凄まじい盛り上がりとなった「72時間ホンネテレビ」での「ユーチューバー草なぎ、プロレス乱入」だが、その舞台になったのは小規模なインディー団体だった。稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が男色ディーノに呼び込まれて登場したのは、11月3日のガンバレ☆プロレス新木場1st RING大会。DDTの系列団体であるガンバレ☆プロレス、通称ガンプロを率いるのは大家健(おおかけん)だ。

ディーノ、稲垣、草なぎ、香取と対峙する大家。異次元すぎる光景

(C)DDTプロレスリング


男色ディーノ&ユーチューバー草なぎvs大家健&今成夢人のタッグマッチが「72時間ホンネテレビ」で中継され、一気に話題となったガンプロ。この日の観客数は206人(満員)で、時には収容人数2ケタの会場で試合をすることもある。


それでも「プロレスをメジャースポーツに」という壮大な野望とともに活動してきたら、とんでもないメジャーアイドルと試合をすることになってしまったというわけだ。

DDTの“大社長”高木三四郎は、今回のサプライズマッチ実現について「大家は引きが強い」と語っている。その要素はレスラーとしての力量やルックスをも上回ることがある、と。


この11月3日、DDT本隊は岐阜で大会を行なっており、稲垣、草なぎ、香取の3人がそこまで出向くのは不可能。といって収録では面白くない。そこで、都内で大会のあったガンプロに白羽の矢が立った。首都圏でDDT本隊の大会があったら、こうはなっていなかった。おそるべき引きの強さだ、大家健。

試合後、感情が昂りまくった大家は今成とともにさらなるメジャーを目指し「倒すぞ、草なぎ!」で大会を締めた


それだけではない。大家は一昨年11月、DDTに新日本プロレスの棚橋弘至が参戦した際にも、迎撃するエース・HARASHIMAのパートナーに「棚橋が知らないプロレスをする」と抜擢された。体は大きくない、テクニックがあるわけでもない、団体名通り頑張るのみの、とても理論的とは言えない大家のファイトが、逆にハイレベルな棚橋にバグをもたらすかもしれない、という意外性である。


昨年10月には、ガンプロ初の“聖地”後楽園ホール大会を開催。会場を借りる際、予約金が足りず報道陣にお金を借りたりもしたが、フタをあければ超満員の大成功となった。ここで大家は大仁田厚とのタッグ対決を実現させている。


そして今年は「ユーチューバー草なぎ」との対戦でバズった。大家はなぜか、秋になるとミラクルを引き寄せる。その直前まで、佐々木大輔との抗争で全財産(約70万円)を奪われたりしていたのに。


いや、それまでだって紆余曲折しかないようなレスラー人生だった。最初に入門した団体ではデビューできず、DDTで選手になってからも失踪事件を起こしている。イメージを簡単に言えば「お笑い担当、それも笑われるほうのダメレスラー」か。


ガンプロを旗揚げしたのも、DDTを戦力外状態になって「もう自分で団体やれ」となったからだ。旗揚げ資金は15000円。そのお金は鶴見亜門GM(当時)の定期券代だった。


そこからとにかく頑張った。何も持っていない人間でも、頑張ることだけはできる。なら頑張ろうと決めたのだ。泣いて、叫んで、闘って。傍目にはメチャクチャだけれどもとにかく頑張る。アツすぎるその姿はどうしたって人目をひく。放っておけなくなる。結果、大家はDDTのドキュメンタリー映画2作で主役級の扱いとなった。強い、引きが。


失踪して仕事に穴を開けながらもカムバックし、プロレス団体の代表になり、映画で事実上の主役、かと思えば全財産を失って、その直後に日本トップクラスの人気者と試合をした。何だろうかこの人生は。いわゆる「マンガに描いてもボツになる」やつじゃないのか。きっとそういう人間にしか「ユーチューバー草なぎ」の対戦相手などという大役は務まらないのだろう。


そんな大家の右腕、今成夢人にも触れておきたい。大家と同じ学生プロレス出身の今成だが、もう一つの顔はDDTの映像ディレクター。グッとくる煽りVTRを撮らせたら天下一品、かつて自主映画『ガクセイプロレスラー』が海外の映画祭に出品されたこともある。


つまり「72時間ホンネテレビ」で中継されたのは“ユーチューバーvsプロの映像作家”だったのだ。稲垣も香取も、それに「ユーチューバー草なぎ」も、そんなことは知らなかっただろう。というより知らなくても構わないわけだが、彼らのファンのごく一部にでも、大家や今成、ガンプロについて知ってほしくはある。

文・橋本宗洋

続きを見る