内藤哲也が「プロレス大賞」会見で明かした本音と新日らしい未来とは

真夏のG1を制し、長年目標として来た「1.4東京ドーム」のメインも確定。そして2年連続「プロレス大賞」受賞と、自身のキャリアにおいて最高の状態にあるにも関わらず、内藤哲也の心情は穏やかではないようだ。

IWGPインターコンチネンタル王座を上半期に保持し、真夏の祭典G1クライマックスを制覇。「年間を通じて常にファンに話題を提供してきた。IWGP王者、オカダ選手を凌ぐ発信力でファンの支持を常に拡大した。抜群の会場人気を持って衰えないロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン旋風を巻き起こし続けた」という記者および有識者の高い評価から21票中15票と75%という支持率で大賞を獲得したにも関わらず、先日行われた、「プロレス大賞」の記者会見でも、真っ先に飛び出したのは受賞への喜びではなく、新日本プロレスへの運営批判だ。


「1つ言わなきゃいけないことがあるので。ケニー・オメガ対クリス・ジェリコのダブルメインイベントの件すね。ダブルメインイベントの第一試合というのは要するにセミファイナルですから。4年前、僕は経験していますから。ダブルメインイベントと発表されましたがあなたがたは所詮セミファイナルなんですよ、あなたがたは所詮、内藤対オカダの前座なんですよと。何か余裕を持ちながら発表を聞くことができました。でもですよ、俺はG1クライマックスを優勝して東京ドーム大会のメインイベントの出場権利書を手に入れた。オカダカズチカもケニー・オメガも出場しているリーグ戦で優勝して、この東京ドーム大会メインイベントの権利書を手に入れた訳ですよ。新日本プロレスにとって東京ドームのメインイベントはそれぐらい大切な場所な訳でしょ?なのに、世界的な知名度があるっていうだけで、メインイベントがダブルメインイベントに変更されてしまう、新日本プロレスにとってG1クライマックスの優勝、東京ドームのメインイベントって、その程度のことなんすかね。」


ここまでは4年前にG1覇者となりながら、理不尽な人気投票でイッテンヨンのメインを剥奪された内藤の恨み節とも取れるだろう。ある意味あの時の屈辱をバネに暗中模索の中、これまでのヒールの概念とも違う、ベビーフェイスというには手段を選ばない制御不能ユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」を結成。実績を積み重ねながら名実ともに日本プロレス界の顔の一人となった内藤の、少々嫌味も散りばめた勝利宣言だった訳だが、その後に語り始めたのは、さらなる未来を見据えた運営批判だった。


「(クリス・ジェリコの)知名度は大事なこと。世界にアピールするには彼の知名度を利用しない手はないでしょう」と語った上で内藤がぶちまけたのは「新日本プロレスが世界に向けてアピールするのに大事なのは“これが新日本プロレスのメインイベントです。これで新日本プロレスは世界に打って出ます”ってアピールすることじゃないの?世界的に知名度がある?違うだろ。今見せなきゃならないのは、我々が普段見せてるものだろ。」とあくまでも新日本プロレスのありのままを世界にアピールするべきという提言だ。


さらに「新日本プロレスはいつまで、海外の某団体のご機嫌を伺っててたら気が済むんだ。中邑選手が移籍したときも、そうだったでしょ。人気選手が移籍してしまうにも関わらず、“おめでとう”って、それは無いぜ。そんなゴマすってばかりいる会社が、世界一のプロレスの会社になる訳ないでしょ。選手がどれだけ頑張っても世界一になれる訳がない。」と、新日本プロレスの運営姿勢を公の場で不快感を示した。


某団体は言うまでもなく世界最大のプロレス団体WWEだ。世界戦略を推し進めるWWEは、これまでも世界中のプロレス団体から次々のトップレスラーを引き抜き拡大を続けて来た。2年前に新日本プロレスも、主力の中邑真輔、AJスタイルズ、カール・アンダーソン、ドリュー・ハンキンソン(ドク・ギャローズ)などを次々と引き抜かれた経緯がある。そんな団体の危機を救ってきた内藤だからこそWWEの元スターのメイン昇格というマッチメイキングへ物申したい気持ちが大きかったのだろう。


この内藤の発言は海外のプロレスメディアでも「WWE批判」として一部報じられる場面があった。プロレスにありがちなトラッシュトークともとらえられがちだが、内藤の発言は今後の新日本の在り方への懸念と警鐘を鳴らしたと同時に、新日本に対する人一倍大きな想いとプライドから出た本音なのではないだろうか。

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