「武尊を意識するようになった」クレバーすぎる19歳ファイター、西京春馬は進化をし続ける

12月27日(水)後楽園ホールで開催される「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN ~SURVIVAL WARS 2017~」に出場する西京春馬。10月に小澤海斗を制しKrush-58kgタイトルを獲得し、対小澤戦で2連勝。同階級で揺るぎない実力を見せた19歳に「ONE DAY」(AbemaTV)が密着した。

-58kgに階級を上げて臨んだ6月のK-1でのスーパーファイト、対小澤海斗戦は西京本人も「これで負けたら-58kgではチャンピオンになれないと思った。買ったことで通用するなという自信になった」と振り返る、いわば試金石となる試合だった。


これまで所属ジムの兄弟子にも当たる武尊の最大のライバルとしてKrush~K-1を牽引して来た小澤に対して、気鋭の西京という取り組みは下馬評では「王者、小澤に西京が挑む」という声が周囲からも聞こえて来た。


しかし西京は、序盤からフットワークを活かしながらローを叩き込み、打ち合いで小澤からフラッシュ気味ながら早々とダウンを奪うという驚きの幕開けに・・・。その後も高い技術力を誇るガード力や、スピードを活かした的確な打撃で王者を追い込んで行く、倒せる部分でも倒し切らない部分にもどかしさを感じたという意見もあるが、冷静に試合のイニシアチブを握り完封する姿に西京の妥協なきファイトスタイルを示すことになる。


この試合で敗れた小澤も、Krush王者としての意地とプライドをかけ臨んだ10月の-58kg級タイトルマッチ。会見でも「打ち合おう」と真っ向勝負を望んだ王者に対して、西京は再び冷静沈着な試合運びをみせ気がつけば勝利。「タイトルがかかっているので小澤選手も凄い覚悟で挑んでくるだろうな。タイトルマッチなので見せ場も作らなければならない。ダウンを取った時は勝ったと安心するより見せ場を作れた安心感の方が強かった」と振り返るあたりは精神力の強さを感じさせる。


同じK-1GYM 相模大野 KRESTに所属する武尊とは、真逆といえる打ち合いよりもスピードで交わし当てて確実に試合をコントロールするという技術。その原点は中学生時代の周りの成長に伴う戦い方の変更にあったという。


「元々打ち合うスタイルだったのが、中学生になると皆んなパワーがついてきてボクシングで言うとメイウェザーのような、自分はパンチを打って相手からはもらわない。長く続けるならダメージを負ってはいけないと思って、そこからファイトスタイルを変えてやってきた。自分には武尊さんのように中に入って倒せるパワーはないので、フィジカルをつけてパワーもこれからつけて行きたい。」と現時点での自分の評価と、今後求められることも明確なのは、世代の中でも極めてクレバーな戦い方をする西京の凄さの所以と言えるだろう。


ジムの渡辺代表は「タイミングのいい選手はたくさんいても、西京には爆発力と瞬発力があるんで、それが加わって相手が立てないパターンに陥る」と分析、同門ながら「武尊と近い階級だし追い越すつもりでやって欲しい」と期待も大きい。19歳という年齢は王者とはいえ未だ発展途上の部分も多い、現在筋力やバランスや持久力などさらなる強化を目指し日々奮闘中だ。


王者になって2ヶ月、「防衛していないのでまだ王者の実感はない」という西京。12月27日のリングでは椿原龍矢とフェザー級で対戦するが、18歳関西アマチュアの雄、椿原も西京同様、K-1甲子園のトップ戦線で戦い続けたK-1エリートの一角を占める実力者だ。小澤への下克上を果たした西京のように、王者となった今、1歳下の世代の突き上げもさらに厳しくなるだろう。


今回の椿原戦については「ただ勝つだけではなく、しっかりとレベルの違いを見せて3月の大会に出場したい。来年は若いファイターたちが盛り上げて僕が引っぱるくらいに思っています」と語る西京。現在地を突き進み躍進した先には武尊との禁断の同門対決も…真逆すぎる2人が拳を交える姿もK-1のリングで実現するのもそう遠くないかもしれない。

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