独自ルール、超異色対決…豪華で異色な顔ぶれが大暴れ!「新宿地上最大武道会」開催

『新宿地上最大武道会』は、プロレスリングBASARA代表・木高イサミがプロデュースするトーナメントだ。これまでは新宿FACEで開催されてきたが、第三回大会は12月28日、後楽園ホールで開催。

(ロープのないリングは独特な光景。里歩vsウラノなど男女対決も実現)


大きなポイントは、その独自のルールだ。1、2回戦はリングにロープを張らず、転落したら失格に。準決勝もロープはあるが転落で負け。通常のプロレスルールは決勝戦だけとなる。


今回は主催者のイサミをはじめ第一回優勝のヤス・ウラノ、ビル・ロビンソンの愛弟子で前BJWストロングヘビー級王者・鈴木秀樹、さらに浜田文子、里歩と女子選手も出場する豪華で異色な顔ぶれに。

(今年のプロレス大賞で技能賞を受賞した鈴木に真っ向から技術戦を挑んだ阿部)


「落ちたら負け」のルールは窮屈にも思えるが、逆に選手たちの個性が際立つことに。どの試合も“この2人ならでは”のものになっていた。イサミは1回戦で谷嵜なおきを強烈なヒザで場外に吹っ飛ばす。阿部史典は彰人の足4の字固めに耐えつつ同体でリングアウト。しかし自分だけ鉄柱にぶら下がって勝者となった。里歩vsウラノは、ウラノが回転エビ固めを返した勢いで場外に転落してしまう結果に。勝った里歩は鈴木との超異色対決が実現したが、619を跳ね返されて場外に。


決勝まで勝ち上がってきたのは、鈴木と阿部だった。阿部はキャリアわずか2年半だが彰人戦、イサミ戦と大番狂わせを連発してきた。レスラーであると同時に僧侶でもあることが知られている阿部だが、現在は若手実力派としての評価も高く、全日本プロレスにも準レギュラークラスで参戦している。


東京出身の阿部がプロになった団体は名古屋の団体スポルティーバ。現在DDT所属の彰人は同団体のOBで、阿部にとっては大先輩だ。イサミは阿部がレギュラー参戦しているBASARAの代表で、いわば恩人。今月14日にはタイトルマッチで名勝負を展開した。


鈴木とは、阿部が少年時代からの仲。ジムの先輩と後輩だという。「バズソーキックとか教わろうと思って入門したら、最初に教わったのが手首の取り方だった」というUWFスネークピットジャパンで、プロデビューを控える鈴木に会っていたのだ。練習も見てもらったし、一緒にプロレスごっこもした。鈴木によれば、阿部は「いつの間にか失踪していた」そうだが、澤宗紀のバックアップもありデビュー。現在、阿部はプロとして鈴木に練習を見てもらうこともある。


阿部との決勝、鈴木はジャイアント・スイングやロメロスペシャルを見せたのだが、それは“あの頃”のプロレスごっこの再現だったのかもしれない。最後は必殺のダブルアーム・スープレックスを決めて鈴木が勝利。しかし阿部も澤直伝の「お卍固め」にさらに改良を加えるなど、大健闘と言える内容だった。

(閉会式でBASARA公式Tシャツを受け取った阿部。記念撮影ではイサミ、鈴木に挟まれた)


1日3試合、すべてが感慨深い試合となった阿部は、閉会式でBASARA入団を直訴。イサミもこれを快諾して団体公式Tシャツを手渡した。


BASARAが目指すのは、イサミ曰く「少年マンガの世界観」。いわゆる“友情・努力・勝利”も大きなテーマだ(努力はできるだけしたくないそうだが)。その一方で「バカバカしさ、バカ騒ぎを見てほしい」とも。感動的なはずのエンディングで、鈴木は少年時代の阿部が「僕、WWE行くんすよ」と言っていたことを暴露。ドラマチックな大会だったが湿っぽく終わらなかったのはBASARAならではだろう。


「今までと同じく自由に、いろんなところで試合がしたい。その上でBASARAを盛り上げたいですし、路上プロレスも出てみたい」と阿部。旗揚げ当時からのBASARAのモットーは“自由”であり、我の強さ、自己主張が何よりも重視される。「ウチにとって劇薬になるかも」とイサミが言うくらい、“BASARAの阿部”は水を得た魚。インディーマットのホープは、2018年に大きく飛躍するだろう。

文・橋本宗洋

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