世界最強の100kg超の大男どもよ、出てこいや!MMA界“ヘビー級戦線”が変わる ベラトール対UFCの代理戦争が開戦!


1月21日、アメリカの総合格闘技大会「ベラトール 192」が開催される。今回の大会の注目は、2018年のベラトール前期の目玉というべきヘビー級のトーナメント第1回戦。クイントン・ランペイジ・ジャクソンとチェール・ソネンが1回戦を戦う。

今回開催されるヘビー級トーナメントは、日本の大会などで行われてきたワンデイもしくはツーデイで決するトーナメントとはやや違う。1年間の通常の大会スケジュールの中に、ヘビー級トーナメントのカードが組み込まれ、最終的にヘビー級最強を決めるというシステムだ。

近年ベラトールが積極的に行ってきたスカウティングは、各階級幅広い人材を求めてきたが、ことヘビー級に関しては、往年のレジェンド・ファイターやUFCをリリースされた中堅のヘビー級選手、そこに現役トップレベルのランカーの引き抜きというやや強引な方法も取りつつ行われてきた。

レジェンドの最たる例が、アメリカ再挑戦を胸に復帰したエメリヤーエンコ・ヒョードルだが、PRIDEとUFCでライト級の主役だったクイントン・ランペイジ・ジャクソンとチェール・ソネン、かつての第2の団体「ストライクフォース」からベラトール叩き上げの重量級ファイターとなったキング・モー。そこにライアン・ベイダー、ロイ・ネルソン、マット・ミトリオン、フランク・ミアというUFCからので実績ある引き抜き組が加わる。当初は「UFCのお払い箱選手の巣窟」という揶揄が聞こえてきたベラトールだが、気がつけば錚々たるヘビー級ファイターが集い魅力的なラインナップを作り上げることに成功した。

さて今回の対戦では、そのヘビー級トーナメントのオープニングマッチとなるクイントン・ランペイジ・ジャクソンとチェール・ソネンという象徴的なカードが組まれた。PRIDEからUFCライト級王者へと、一時はトップファイターとして順風満帆だったランペイジだが、2013年以降はUFCでの成績不振からベラトールへと移籍し、ライト級のトップ、キング・モーとの抗争を繰り広げてきた。2人の対戦が1勝1敗ということで、3度目の決着戦へのモチベーションも高いはずだが、そのモーは逆のブロックということで、決勝まで勝ち進まないと、対戦は実現しない。

一方のソネンだが、こちらはUFC時代から「毒舌王」「アメリカン・ギャングスター」と呼ばれた生粋のトラッシュトーカーだが、ベラトール復帰からはティト・オーティズとヴァンダレイ・シウバという2人のレジェンドファイター相手に、イベント自体を盛り上げる役に徹してきた。

ティトの引退への素晴らしい道筋を作った昨年1月の大会、そしてベラトール初のニューヨークMSGのビッグイベントのトリをつとめたヴァンダレイ・シウバ戦など、格闘家としてのスキル以上にそのキャラクター性が評価され現在に至っている部分もあり、今回のトーナメント参戦で本当の意味での格闘家チェール・ソネンの本気に期待したいところだ。

ランペイジ、ヒョードル、キング・モーなど、メンツを見る限りヘビー級を中心とした無差別級のトーナメント。日本のRIZINあたりが当初構想していたものともダブってみえ日本の格闘ファンにとっては、ややもどかしさも残るが、ここ2年急速にラインナップ強化を続けて来たベラトールの成果の一つとして面白いトーナメントになることは必至といえる。敢えて数日間で決する方式ではなく、年間スケジュールを組んだあたりの巧みさも含め注目だ。

奇しくもほぼ同時間にUFCは、スティーペ・ミオシッチとフランシス・ガヌーという、現状でのMMAにおける最強のヘビー級同士のタイトル戦を開催する。UFCもヘビー級ファイターの慢性的な人材不足の中で、難攻不落の絶対王者と若手気鋭のニュースター候補という構図をなんとか作ることに成功したが、一方のベラトールは、重量級の定義をやや広めに取りトーナメント戦というまた違った形でヘビー級戦線を演出している。この2団体の対決も含め、やや停滞気味だったMMA界のヘビー級戦線の潮目が変わる日になりそうだ。


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