「今のDDTは、自分が好きなDDTではない。全てをぶっ壊す!」怒りの戦線復帰の入江茂弘を後輩・彰人は止められるのか?

(両国大会メイン後、竹下に挑戦表明した入江に立ちはだかった彰人)

(C)DDTプロレスリング


4月1日のDDT後楽園ホール大会(AbemaTVにて生中継)で、さまざまなドラマをはらんだシングルマッチが組まれた。


ことの発端は、3月25日の両国国技館大会だ。竹下幸之介がKO-D無差別級王座防衛V11を達成したメインイベントの後、観客が席を離れようとしていたまさにその時、リング上に入江茂弘が姿を現した。


過去にKO-D無差別のベルトを巻いたこともある入江だが、このところ武者修行として海外遠征を頻繁に敢行。今年に入ってからもDDTから戦線離脱していた。リーグ戦「D王GP」にエントリーされなかったことについて、団体側に複雑な感情を抱いたようだ。


以前より日焼けし、黒いTシャツ姿もあって精悍さが増した印象の入江は、両国のリングで竹下に挑戦要求。だが、そこに待ったをかけたのが竹下のタッグパートナーである彰人だった。


彰人曰く「自分が(DDTから)逃げておいて、どの面下げてここに来たんですか。挑戦は認めない。あなたがいない間も、僕らは頑張ってこの両国を成功させたんだ」。


まさに正論だったが、入江の実力そのものは誰もが認めるところ。竹下自身、防衛戦をやりたい相手として入江の名前をあげていた。少年時代、大阪プロレスのプロレス教室に通っていた2人。DDT総選挙での票が伸びず「アンダーボーイズ」として本戦前に両者の対決が組まれたこともある。「あれは忘れられない一戦。プロレスラーとしてだけでなく人間として、プロレスファンとしても忘れられない」と竹下は言う。


入江、彰人それぞれの言い分を受けて決まったのが、4.1後楽園大会での彰人vs入江戦だ。両国大会翌日に行なわれた会見では、入江が「自分はDDTをやめようと思ってました。今のDDTは、自分が好きなDDTではなくなってしまった。でも、それならすべてをぶっ壊せばいいと思い、ここに帰ってきました。自分の邪魔をする奴は叩き潰すだけです」とコメントし、途中退席。そんな入江を、彰人は「また逃げ出した」と批判した。

(3月26日の会見。入江と彰人が同席した時間はごくわずかだった)


「僕が尊敬してた入江茂弘はそういう人間じゃない。どんなことにも立ち向かう人間だったはず。いまチャンピオンになっても、何を発信できるのか。僕が尊敬してた入江茂弘は、もう死んだのかなと」


入江と彰人は、名古屋ローカルの団体からDDT入りした先輩・後輩の関係でもある。入江が「D王GP」に出場できなかった複雑な心境をブログに記した際も、彰人だけが反論していた。同時に、彰人は「竹下と同じユニットであっても、ベルトを狙う気持ちはある」とも。


それぞれに深い関係性があり、だからこそ対立の度合いも激しくならざるをえない。竹下の次の防衛戦は4月29日の後楽園大会を予定。竹下は相手を指名せず「今はただ彰人vs入江が見たい」と語っている。4.1から4.29へ。いわゆる“遺恨”とは別種のドラマを、3人は紡いでいくことになるだろう。


文・橋本宗洋

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