東京女子プロレス、またも後楽園大会超満員!他団体とはまったく違う魅力、ここにしかない世界

5月3日、東京女子プロレスが今年2回目の後楽園ホール大会を開催した。2013年12月に旗揚げした東京女子は、初の後楽園大会を2016年1月4日に行ない、昨年は1月、8月と2度の“聖地”進出を果たしている。

(1.4に続き後楽園でのタイトル戦を制した山下。試合の激しさは毎回、増していると言ってもいい)

(C)DDTプロレスリング/宮木和佳子


興行数が増える中、昨年9月から全大会で超満員を記録。今年は後楽園大会も年3回となり、1.4で初の後楽園超満員も達成した。


そして今回も超満員、公式発表で1202人の観客が集まった。その原動力は、やはりキャラの濃い選手たちが見せる独自の試合ぶり。ハイパーミサヲは“デスマッチのカリスマ”葛西純とエニウェアフォールマッチ(リング外でも決着可能)で対戦。自転車で客席の階段を走り降りて大転倒、葛西のテーブルクラッシュ攻撃を直撃されるなど狂った試合ぶりで観客を魅了した。


“クビドル”伊藤麻希は20歳にしてキャリア10年以上の里歩に気合い(のみ)で真っ向勝負し、セミファイナルでは沙希様&アズサ・クリスティのNEO美威獅鬼軍から“筋肉アイドル”才木玲佳と“JKレスラー”小橋マリカのコンビがタッグ王座を奪取している。前半戦にはアイドルとプロレスを完全同時進行する新人アップアップガールズ(プロレス)も登場。


いわゆる大物同士の夢の対決と呼べるようなカードはなく、他団体からの参戦は葛西と里歩だけ。あとは所属選手とほぼ専属のフリーレスラー、初参戦の外国人だけで後楽園を超満員にしてみせたのだから快挙だろう。逆に言えば、東京女子プロレスには他団体とはまったく違う魅力、“ここにしかない世界”がある。

(ドラゴンスクリュー、ドラゴンスリーパーとドラゴン殺法で山下を苦しめた辰巳)

(C)DDTプロレスリング/宮木和佳子


メインイベントは団体生え抜き同士のタイトルマッチ。一期生にしてTOKYOプリンセス・オブ・プリンセス王者の山下実優に辰巳リカが挑戦した。正式旗揚げ以前から団体を引っ張ってきた山下に対し、音楽活動から転身してきた辰巳はケガによる長期欠場も経験しながらゆっくりと成長してきた。後楽園直前の前哨戦では、タッグマッチながら初めて山下に勝利している。


これが3度目の王座挑戦となる辰巳。自らリング上で髪を切ることで覚悟を示し、レスラー人生を変えるべく臨んだリングで、これまで培ってきた力を出し切ったと言っていい。


彼女は本名がリカだったことからリングネームが「たつみりか」となり、プロレスラーなので漢字を「辰巳」としたことから、最初はまったく知らなかったものの“ドラゴン殺法”を得意とするようになった。この日は山下が得意とするキックへの対策としてドラゴンスクリューを多用。コーナーポストに上った山下に雪崩式で決める場面も。


しかしこれで「楽しくなった」と言えるのがチャンピオンの強さか。脚のダメージを振り払って蹴りを連打、最後は頭部に攻撃を集中させ、必殺技のクラッシュ・ラビットヒート(ランニングキック)でトドメを刺した。前哨戦では使わなかったフィニッシャーをここで持ってくるあたりも、山下の王者らしさだろう。


大成功に終わった後楽園大会の2日後、両者は5.5板橋大会のメインイベントで小橋マリカのパートナーとしてチームを結成、6人タッグマッチに出場した。闘っても、組んでも、前半戦でもメインでも個性を発揮できるのが東京女子の選手たちだ。後楽園での試合後、辰巳はうなだれながらも「生きてる限りあきらめない」と語った。

(ハイパーミサヲは葛西純とハードコアな一戦。戦場を場内ロビーに移し、自転車でイスの城に激突する場面も)

(C)DDTプロレスリング/宮木和佳子


闘いは続く。6月からは恒例のトーナメント「東京プリンセスカップ」がスタート。エースである山下だが過去4回で優勝なし、決勝に進出したこともないほどの“鬼門”だ。「トーナメントで勝つコツが分からない。珍しく作戦を立ててみようかと思ってます」と、チャンピオンとして必勝を誓う山下。ここをどう乗り越えるかで、夏の闘いは大きく変わってくる。そして8月26日には、今年3度目の後楽園大会。そこではまた、レベルアップした選手たちの姿が見られるだろう。


文・橋本宗洋 

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