“クビドル”伊藤麻希、王座奪取も1時間6分後に即ベルトを奪われる

AbemaTVのゴールデンタイム・レギュラー生中継大会「DDT LIVE! マジ卍」、5月22日放送回で、赤井沙希と伊藤麻希のマッチアップが実現した。試合は赤井が保持するアイアンマンヘビーメタル級選手権の時間差入場バトルロイヤル。多数の選手が次々と登場する形式だ。

(リング下でアントンを襲撃した伊藤は初戴冠に満面の笑み)

(C)DDTプロレスリング


アイアンマン王座は24時間、365日いつでも、どこでも、誰でも挑戦可能なベルト。試合中も王者が入れ替わっていく。チャンピオンとして最初に登場した赤井は、まず東京女子プロレスで活躍中の“クビドル”伊藤麻希と対戦。強烈な顔面蹴りを放った赤井に、伊藤も得意の頭突きを返していく。そしてボディへの頭突きからDDTと連続攻撃を見せたところで、次の入場者・島谷常寛が漁夫の利的に赤井をフォールして新王者に。


伊藤と島谷が大揉めに揉めつつ、吉村直巳、下村大樹、アントンことアントーニオ本多、大鷲透と選手が登場してバトルを展開。そんな中、王者・島谷がイス攻撃に失敗し、倒れたところを押さえ込まれて王座移動に。島谷の体がイスの下敷きになっていたため、新王者・イスが誕生することになった。

(リング上ではイス取りゲームにも勝利したものの、だからどうということはなく男子選手たちにフォールされる)

(C)DDTプロレスリング


観客から“イス”コールが巻き起こる中、今度は“打倒・イス”をめぐっての闘いに。リング中央にどっしりと構えたイスの周りを全員が周回。文字通りのイス取りゲームが展開され、ここは伊藤が勝利したもののプロレスとしては特に意味がなく、イスごと倒された伊藤はフォール負けに。


最後はアントンがイスとの激闘で折りたたみ部分に指を挟まれ大ダメージを負ったものの、3カウントを奪って戴冠。ところが退場時にロープに足をひっかけダウンしてしまう。ここでゲストのくみっきーこと舟山久美子がアントンに体固め。これをクリアしたアントンだったが、リング下では島谷にも襲撃されピンチの連続に。これも回避したアントンに待ち構えていたのが伊藤だった。 疲労困憊のアントンをすかさず丸め込んだ伊藤。5.19東京女子プロレスではタッグ王座戦で惜敗、悔し涙を流したが、ここで初戴冠を果たすことになった。第1310代王者である。


ベルトを巻いた伊藤は、生中継のカメラに向かって「世界一可愛いアイドルがベルト巻いてるよ!お母さーん!」 と喜びの声。いつ、どこで、誰が挑戦してくるか分からないだけに、ダッシュで控え室に逃げ込んだのだった。


常に観客にインパクトを残してきた伊藤が、紆余曲折のアイドル人生、レスラー人生でついに掴んだ栄光の瞬間だった。が、やはり闘いは続いていた。大会セミファイナル後、伊藤は追いすがる島谷から逃げに逃げてリング上へ。ここでもイス攻撃を自爆した島谷を見て「バーカ!」と勝ち誇る伊藤。


そこに現れた赤井が顔面蹴りを一閃。すると今度は大石真翔が赤井を排除、ダウンした伊藤を抑え込んでベルトを奪ったのだった。大石は直後に急襲してきたヨシヒコと、次回大会で対戦することに。

(タイトル奪取から1時間6分後、あっさりベルトを奪われた伊藤)

(C)DDTプロレスリング


結局、伊藤は1日どころか1大会天下にもならず。タイトル保持期間はわずか1時間6分でしかなかった。キャリア約1年半、ここにきて“結果を出す”“トップを取る”ことに目覚め、3日前のタイトルマッチでは負けて涙を流した伊藤。だからこそ初戴冠の際には特大の感動が待っていると予想されたが、アッサリとした形で終了した。“ネタ”として消費されるようなタイトル奪取になってしまったわけである。


今後、伊藤が東京女子プロレスのシングル王座もしくはタッグ王座を獲得したとしても、それは「初戴冠」ではないわけだ。そこに複雑さも感じるものの、それも含めて現時点での伊藤の実力だと言うしかない。


チャンピオンになったのは事実。しかしこれはゴールではない。伊藤ファンが喜ぶのも1時間6分の間くらいでいいだろう。


文・橋本宗洋

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