劇的バトル続出!桜庭和志プロデュース「QUINTET」の世界がより深く見えてきた

打撃なしのグラップリング、団体戦にして抜き試合のトーナメントという斬新なイベント「QUINTET」が、2度目の大会を6月9日にディファ有明で開催した。


桜庭和志がプロデュースするこの大会、今回はチーム5人の合計体重を360kgとする軽量級トーナメントを実施。4チームによる闘いは、強豪柔術道場CARPE DIEMの優勝となった。


TEAM TOKORO PLUS αとの1回戦は大将戦まですべて引き分けで旗判定による勝利。決勝戦もTEAM HALEOにトータルの指導ポイント差で勝ったCARPE DIEM。圧倒的な強さを見せたというわけではなかったが、だからこそチームとしての総合力が印象に残った。


所英男、小見川道大などMMAで活躍する人気選手も出場する中、柔術・グラップリングの専門家たちが脚光を浴びるのも「QUINTET」ならではと言っていいかもしれない。


「みんなのために」という思いも生まれる団体戦。しかも抜き試合だけにシチュエーションしだいで選手の役目、それぞれの闘いの意味合いも変わってくる。


たとえば1回戦、所チームの大将として登場した矢野卓見は、CARPE DIEMの岩崎正寛との大将戦開始時点で指導ポイントで上回っていたため、このまま引き分ければチームの勝利が決まるという状況だった。48歳、久々の試合だけに不利が予想されたが「守り切ればなんとかなるかも」という期待感が生まれるわけだ。


結果、スタミナ切れもあって消極性による指導が入り、ポイントで並ばれてしまった矢野。とはいえ序盤に見せたオリジナル技「センタク挟み」やドローにまで持ち込んだ驚異的な粘りは会場を沸かせるものだった。


“個”としての力を誰よりも見せつけたのはTEAM HALEOのホベルト・サトシ・ソウザだ。1回戦ではTEAM U-ZUKIDOの大将・中村大介を下してチームの勝利を決めると、決勝戦では2勝1分。リアネイキッドチョーク(裸絞め)の切れ味は凄まじいものだった。


だが見方を変えれば、そんな圧倒的な“個”の力をもってしても団体戦では勝てないことがあるのだ。この軽量級トーナメントで「QUINTET」の世界がより深く見えてきた。


文・橋本宗洋

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