東京女子プロレス、史上最大の決戦へ!王者・山下実優と優宇が前哨戦から正面衝突

東京女子プロレスは2013年に活動を開始し、その年の12月に北沢タウンホールで正式な旗揚げ戦を開催している。

(山下の打撃、優宇の投げ技など前哨戦から遠慮なしの真っ向勝負に)


そこから5年弱、まだ長いとは言えない歴史の中でも選手は確実に育ち、所属メンバーが増えるだけでなくフリーのレギュラー選手も人気の一翼を担っている。


“聖地”後楽園ホールでの大会も一昨年の初開催以来、昨年は2回、そして今年は3回と増加。通常の大会も昨年9月からすべて超満員となっている。初期には小さなライブハウスにマットを敷いて(リングなしで)試合をしていたのだから目覚ましい成長ぶりだ。


8月25日に開催の、今年3回目となる後楽園ホール大会では、シングル王座TOKYOプリンセス・オブ・プリンセスをかけて山下実優と優宇が対戦する。山下は1.4後楽園で才木玲佳を下して王座奪還を果たすと、ここまで4度の防衛に成功。新人時代からエースと目され、初代王者にもなった山下は、ここにきて王者としての風格もまとうようになっている。


挑戦者の優宇は、トーナメント「東京プリンセスカップ」を制して挑戦権を獲得した。一昨年の1月にデビュー。その年に初代王者だった山下から無敗のままベルトを奪ったのが優宇だ。ちなみに子供時代からのプロレスファン、DDTファンで、優宇の宇の字は「スーパー宇宙パワー」にあやかってのものだという。


7月16日の大阪大会では、メインイベントに山下&中島翔子vs優宇&ハイパーミサヲというタッグ戦がマッチメイクされた。山下と優宇にとっては、タイトルマッチに向けての前哨戦のスタートだ。


タッグとはいえ、両者の闘いは当然のように白熱。山下は空手仕込みの蹴り技主体で攻め込み、優宇は逆水平を叩き込む。払い腰など投げ技のキレ、さらにセントーンやサンセット・フリップと“重さ”を使った攻撃の的確さもあり、優宇の動きにはトーナメントを制した勢いや自信が感じられた。

(7.16大阪大会、タッグの前哨戦で勝利した山下は場外の優宇を挑発)


それでも試合に勝ったのは山下だった。中島がトペ・スイシーダを決めて場外で優宇の動きを止めると、山下はリング上でハイパミにアティテュード・アジャストメント。得意技の一つで3カウントを奪い、そのままリング下の優宇に拳を突きつけて挑発してみせた。


翌日に行なわれた調印式では「(前哨戦で)ベルトは渡さないという挑発をされたんですけど、私はベルトを渡してもらう気はありません。奪います」と優宇。一方の山下は、前哨戦で勝ったとはいえ挑戦者の実力を充分に認めている。


「優宇の攻撃は精神力を削られるような重さがある」と言う山下は「優宇のすべての面を警戒してます。それくらい強い。技を防ぐとかじゃなく、受け切った上で勝つしかない。倒し合いになると思います」とも。


昨年の挑戦者決定戦では山下が勝って才木戦につなげているが、やはり意識するのは初代王者時代にベルトを奪われた「トラウマになるくらいの悔しさ」だ。今回の試合も「チャンピオンとして優宇に勝つことが、私にとってリベンジ」だと語っている。


逆に優宇は「デジャヴを起こしたい」とコメントしたように、2年前の勝利が自身の源になっている。ただ「あの頃と比べて私も山下さんも変わっているし、東京女子も変化している」とつけ加えてもいる。

(17日の記者会見。互いを認め合うからこそ、それぞれの決意の強さも目立った)


それぞれが成長し、団体も大きくなった。その状況下で行なわれる王座戦。文句なしのトップ対決であり、東京女子プロレスが積み重ねてきた闘いの数々がその背景にはある。バラエティ色やアイドルの参戦などが話題になる東京女子プロレスだが、チャンピオンベルトをめぐる“実力争い”の熱も、かつてないほどに高まっているのだ。


文・橋本宗洋

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