「悔しさを昇華できる職業がプロレスラーだろ」伊藤麻希、タッグパートナーに才木玲佳を指名!

8月4日、東京女子プロレスの新宿FACE大会では、特別企画としてシャッフルタッグトーナメントが行なわれた。

(ベルトほしさから、見事に才木を巻き込んだ伊藤)

(C)DDTプロレスリング


これはトーナメントの組み合わせだけでなくタッグチームそのものも抽選で決定するというもの。“筋肉アイドル”才木玲佳とアップアップガールズ(プロレス)・ミウの「さいたマッスルズ」やシングル王者・山下実優と“クビドル”伊藤麻希の福岡出身コンビなど、個性あふれるチームが揃うことになった。


8チーム参加で1回戦と準決勝は試合時間10分、時間切れの場合じゃんけんで決着という特別ルールで行なわれたトーナメントは、坂崎ユカ&瑞希の実力者コンビが優勝。持ち味であるスピードとテクニックだけでなく、1回戦はじゃんけんで勝つという運の強さも発揮した。


が、優勝賞品として発表されていた「軽井沢一泊旅行」の宿泊地が甲田哲也代表の実家であることが判明。「あいてる物置みたいな部屋があるんで」という甲田代表に夏休みの予定をぶち壊された瑞希は、空位となっているTOKYOプリンセスタッグ王座を要求する。


このベルトの新王者決定戦を近々、行なう予定だったと甲田代表。それはそれでと決定戦に出ることにした坂崎&瑞希だったが、そこに立ちはだかったのが伊藤だった。

(謎の説得力としか表現できないマイクアピールを展開した伊藤に坂崎&瑞希も言葉がなかった)

(C)DDTプロレスリング


伊藤は昨年、瑞希の東京女子初参戦時に対戦し、そこから「伊藤リスペクト軍団」を結成。チームとして、またアイドルユニットとして活動してきた。今回の坂崎&瑞希組は、あくまでシャッフルタッグで正規のチームではないはずだったのだ。


「伊藤リスペクト軍団でタッグベルトを獲るって言ってたのは嘘だったのか? 目の前のチャンスに簡単に乗っかるのか?」


そう言って瑞希に詰め寄った伊藤だったが、続けて「それでこそ伊藤リスペクト軍団だ」と独自のイズムを披露。そして「伊藤もベルトがほしい。目の前のチャンスに乗っからせてもらおう」と王座決定戦への出馬表明をしてみせた。


しかもタッグパートナーとして指名したのは才木だった。タッグ王者だった才木は、パートナーである小橋マリカの負傷欠場によって王座を返上したばかり。


「伊藤ちゃんの気持ちは嬉しいけど、マリカが復帰したら、その時に挑戦したい」と困惑気味の才木だったが、もちろん伊藤は遠慮しない。「そんな義理とか抜きに、本音はどうなんだよ! 試合に負けてもいないのにベルト失って、悔しくないのか!」と伊藤。その強引なパワーに観客が笑ってしまうと「おい笑い事じゃねえぞ」と一喝する場面も。悔しさがあるからこそ、伊藤は才木をパートナーに選んだという。


「悔しさなんか利用してやれ。悔しさを昇華できる職業、それがプロレスラーなんじゃねえのか?」(伊藤)


小橋が背中を押したこともあり、才木もついに伊藤とのタッグ結成を認めたため、8月25日の後楽園大会で坂崎&瑞希vs才木&伊藤のタッグ王座決定戦を行なうことが正式にアナウンス。


冷静に考えてみれば伊藤にタイトルマッチを行なうだけの実績があるかどうかは微妙なところなのだが、ともあれ「今のお前(才木)とならいいプロレスができる」と語るなど、なぜかすべてをコントロールしている雰囲気にしてしまった。

(優勝した坂崎と瑞希はコンビネーションのよさも抜群。瑞希のダイビングフットスタンプ(写真)から坂崎がマジカル魔法少女スプラッシュにつなげて決勝を制した)

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インタビュースペースで「瑞希が(坂崎とのタッグで)楽しそうにやってるのが悔しかった。伊藤が引き出せてやれなかったのは申し訳ない」とも語った伊藤。ちなみに4選手中、最もプロレスキャリアが浅いのだが、やはりキャリアの問題ではないのだろう。では何の問題なのかは、伊藤に聞いてみないと分からない。


しかし「(伊藤リスペクト軍団は)これを機に解散という考えもある」と、かなりの覚悟を決めて王座戦に臨むことは間違いない。昨年の1.4後楽園大会、伊藤の東京女子デビュー戦で闘った才木と、同じ後楽園でタッグを組むのもドラマチックだ。


才木も最終的に「伊藤ちゃんとだったらベルト狙ってもいいって素直に思った」と前向きに。才木と坂崎はこれまでにもそれぞれシングル、タッグのベルトを巻いており、ここで勝てば再戴冠となる。また瑞希はタッグを組むことで伊藤の勢いを間近で感じてきただけに、闘ってみたいという思いもあったようだ。

(才木はミウとのタッグで準決勝に進出。坂崎&瑞希に敗退したがタワーブリッジとカナディアンバックブリーカーを同時に決めるなど見せ場を作った)

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瑞希とのタッグでは才木&小橋のベルトに届かなかった伊藤。才木と組んでどんなチームワークを見せるかも重要になってくる。


それぞれの思惑が交錯する、異色のタッグ王座戦。才木、坂崎、瑞希の実力は誰もが認めるところであり、やはり勝負のカギを握るのは伊藤ということになる。そして今の伊藤の充実ぶりからすると、大いに期待できるのではないか。


文・橋本宗洋

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