「伊藤のクセが強いんじゃない。お前らの色が薄すぎる!」“クビドル”伊藤麻希が語る、レスラーとしての成長

8月25日、東京女子プロレスの後楽園ホール大会が開催される。その目玉カードの一つがTOKYOプリンセスタッグ王座決定戦。“クビドル”伊藤麻希が“筋肉アイドル”才木玲佳と組み、坂崎ユカ&瑞希の実力はタッグと対戦する。

(実力面での成長も著しい伊藤)


伊藤はアイドルの世界からプロレスの世界に飛び込み、一昨年12月にデビュー。黒星も多かったが試合ぶり、マイクアピールともにインパクトを残し続け、観客の支持を得てきた。最近は実力的にも成長しており、本人も「ベルトがほしい」と言う。その成長ぶりを、伊藤自身はどのように捉えているのか。インタビューを行なった。


(聞き手・橋本宗洋)

ーーデビューから1年8ヶ月、今回はタッグタイトル2度目の挑戦になります。最近の試合では自力勝利も増えてきていますが、選手としての現時点での手応えはいかがですか。

伊藤 ん~でも、くるべきところにきてるだけだなって。結果出して当たり前じゃないですけど。逆に今までがおかしいんですよ。


ーー結果が出てないほうがおかしいと。

伊藤 まあもちろんね、いろんな人とやって経験積んだから、もっと強くなりたいって思えたのもあるんですけど。


ーー何か「掴んだな」みたいな試合ってありました?

伊藤 どうかなぁ。ちょっとずつちょっとずつですよね。ただ、ここ1年くらいファンも増えてきて、半端な試合は見せらんないなっていう気持ちはありますね。もう自分一人の問題じゃなくなってる。いろんな期待を背負って闘わないといけないから。


ーーその実感があるんですね。

伊藤 分かりやすいのはSNSですよね。感想がストレートに書かれてる中で「これはけっこう期待されてる感じなんやろうな」って。ホントに徐々にですけどね。


ーー見ていて思うのは、去年8月の後楽園(滝川あずさとのシングルマッチで初勝利)が大きかったのかなと。「死にたくなったら伊藤を見ろ」、「明日も生きてもいいかなと思うくらいの勇気はあげられる」という試合後のマイク、コメント含めて。

伊藤 あぁ~。確かにあの試合で「この人、こういうこともできるんだ」って見られ始めたのかもしれない。


ーー今は名言連発っていうイメージもあって。もう「炎上してナンボ」みたいな雰囲気じゃないですよね。

伊藤 「ファンから見た伊藤麻希はどういう選手なのか」っていうのは考えるようになりましたね。ファンのことを思うと自然にそうなったっていうか。


ーー前は「豆腐プロレス」に噛みついたりしてましたけど、もはやそういうことで話題にならなくてもいいというか。

伊藤 いやだって、噛みつきたくて噛みついてたわけじゃないんですよ、何に対しても。その時に噛みつき案件が目の前に流れてきたってだけで。まあ噛みつきがちな性格ではありますけど……まあ落ち着いたんですかねぇ。


ーー余裕ができたというか、より「自分が頑張る」ってことに集中できてるんですかね。

伊藤 炎上したくてしてるわけじゃなかったですからねぇ、もともと。あとはやっぱりファン。なんかねぇ、(ファンとの)関係性が宗教っぽいんですよ(笑)。


ーーまあ一部でカリスマと呼ぶ声もありますし(笑)。

伊藤 「崇めてます!」みたいな。それはねぇ……。


ーーちょっと不自由?

伊藤 いや、そうでありたい。カリスマでいたいので、ヘタなことはしたくないし、余計なことには興味ないし。乗っかりがいのあるものには乗っかりたいですけどね。


ーー最近は取材も増えてますよね。やっぱり生き方、経歴だったり言葉に力強さがあるからでしょうね。

伊藤 そういうところで伊藤の存在が引っかかってくれてるんだろうなとは思うんですけど、でも自分ではやろうと思ってやってるわけでもなくて。

(試合に勝つとこのドヤ顔。表情を見ているだけでも飽きない選手だ)


ーー名言のつもりでコメントしてるわけではないと。

伊藤 名言のつもりで言う名言って、もう名言じゃないですよ。ペラッペラすぎて。「これを言って話題になりたい」みたいなことは思わないですね。自分がその時に思ったことを言ってるだけで。あるとしたら……まあ安っぽいかもしれないですけどそうとしか言えないんで言うと「みんなに元気になってもらいたい」っていうことだけですよね。


ーーその元気にさせるという意味でも、今は結果が大事になってきてますよね。自分の実力的な成長についてはどう考えてますか。

伊藤 そうですねぇ。自分が今の時点でベルトを巻いてないっていう事実のほうが恥ずかしいですよ。これが現実だっていうのを、まだ信じてない。


ーー1回や2回ベルトを巻いててもおかしくないはずだったと。

伊藤 そうです、はい。そんな弱くないだろと。よくザコ扱い、色物扱いされますけど、自分では1回もそう思ったことないんで。周りが無色透明すぎるのかなって思うんですよ。


ーーあぁ、伊藤さんのクセが強いんじゃなくて。

伊藤 「お前らの色が薄すぎる」って。


ーー試合内容への評価とか、結果がついてくるようになったことについてはどう感じてますか。「それだけのことをやってんだ」みたいな自負もある?

伊藤 そこで「あります」って答えるのダサくないですか(笑)。まあでも自信はありますよ。自信がほしいから、日頃から何をするかも決めてるし。


ーー漠然とはやってないと。あんまり練習量とかを自慢したくはないと思うんですけど「こういうことで実力がついた」と思う部分ってどの辺なんでしょうね。

伊藤 なんだかんだ経験はデカいと思うんですよ。数をこなすっていうのが自分には一番かなって。「もっと大きい技を出しなよ」って言われるんですけど、そうではないと思ってるんで余計に経験が大事だったなって。みんながやるようなことで勝つっていうのは求めてないんで。私の道で勝ちたいから。誰もやらないことをやるべきだなって。

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