「10月なんて、生きてるかどうか分かんねえよ」“カリスマ”佐々木大輔、KING OF DDT優勝!

全32選手参加、4大会にわたって開催という過酷なトーナメント「KING OF DDT」の準決勝&決勝が、8月26日のDDT後楽園ホール大会で行なわれた。

(遠藤との同門対決、絞首刑式クロスフェースを繰り出した佐々木)

(C)DDTプロレスリング


DDT最大のイベント、10.21両国国技館大会でのメイン出場&KO-D無差別級王座挑戦がかかったこのトーナメント。決勝は佐々木大輔vs遠藤哲哉の同一ユニット(DANMATION)対決となり、かつて遠藤をDAMNATIONに引き入れた“カリスマ”佐々木が勝利を収めた。


実力は誰もが認めるところ、タイトル歴もあるが“名脇役”にもなれる器用さも持つだけに、これまで佐々木はトップ中のトップと言える存在ではなかった。だがDAMNATIONを結成してからはディック東郷の教えを受けた技巧、葛西純とのハードコア戦でも一歩も退かないクレイジーっぷり、さらには「群れない、媚びない、結婚しない」というスローガンの独自性もあって人気も戦績も爆発した感がある。

(試合後、賞金プレートを持つとこの表情。一応、ポジション的にはヒールである)

(C)DDTプロレスリング


決勝でも、遠藤の空中殺法に対し得意のクロスフェースでロープから首吊り刑、コーナートップからのペディグリーなど大技を連発。ミスティカ式クロスフェースからクロスオーバー・フェースロックで固めて優勝を決めた。


石井慧介との準々決勝(8.25後楽園)ではイスの上での河津落とし、コーナー上から場外へのブレーンバスターという超荒技も決めた佐々木。かと思えば準決勝のHARASHIMA戦は一瞬の切り返しで勝利しており、技巧と狂気が完璧に噛み合っての優勝だったと言えるだろう。


ましてトーナメントで闘ってきた相手は難敵ばかり。とりわけ2日間で石井、HARASHIMA、遠藤を下したのは見事としか言いようがない。戦前は「いかに手を抜くかがポイント」と言っていた佐々木だが、終わってみればすべての試合がタフなものになった。また本人も語ったように、一昨年の石川修司から昨年の遠藤、今年は佐々木とDANMATIONがトーナメント3連覇を果たしたことで、ユニットとしての圧倒的な力も見せつけている。

(石井との準々決勝、場外戦でイス上での河津落としを決めた佐々木。自分も大ダメージだが構わず放っていった)

(C)DDTプロレスリング


ちなみにインタビュースペースでの無軌道すぎるコメントも佐々木の見せ場の一つ。昨年から「(賞金100万円で)平屋の家を買う」と、相場を完全に無視した野望を口にしていた佐々木だが、今回は「コンデイション整えるために普段の3倍以上の酒飲んで金がないんだよ。今週ずっと食パン食べてたから」ということで100万円は借金返済&生活費に消える模様。さらに賞品として贈られた冠スポンサーのエナジードリンク「BLACK OUT」も「路上でこれ売って生活していく。そうやって両国までたどり着くぞ、俺たちは」とのこと。遠藤は思わず「俺たち? 自分もですか?」。


コメントに限らず生活そのものが無軌道、ゆえにカリスマでもある佐々木は両国メインでのタイトルマッチに関しても「なんだっていいよ、誰が相手でも。俺はその日1日のことしか考えない。今日のためだけに生きてんだ。10月なんて、そんな先のこと考えられるか。生きてるかどうかだって分かんねえよ」。

(準決勝では遠藤vsMAOのハイフライヤー対決も、遠藤が決勝進出を決めたが、MAOの躍進が目立つトーナメントでもあった)

(C)DDTプロレスリング


そう本人は言うものの、今の佐々木がDDTのトップを争うにふさわしい選手であることは誰の目にも明らかだ。この無軌道さのままタイトルを獲り、長期政権を築いたらDDTマットはどうなるのか。見てみたいというファンは多いのではないか。


文・橋本宗洋

続きを見る