「この選手の根性叩き直したい」“女子プロレス界の横綱”里村がロックオン 伊藤麻希、「DDT総選挙」中間発表1位の大波乱!

9月4日からスタートした「DDTドラマティック総選挙2018」の中間発表が、9月11日のレギュラー生中継大会「DDT LIVE! マジ卍」にて行なわれた。

(総選挙・中間発表の順位表示画面。圧倒的な票差で伊藤が暫定1位に)

(C)DDTプロレスリング


個人部門、ユニット部門に分かれてファン投票で順位を決めるこの総選挙。ユニット部門1位の特典は興行のプロモート権だ。個人部門では上位20人の選抜メンバーが11.25後楽園大会の本戦に出場でき、1位の選手は賞金100万円に加え団体の頂点・KO-D無差別級王座に挑戦する(2位の選手はKO-Dタッグ、EXTREME級、6人タッグ、10人タッグ、アイアンマンヘビーメタル級のいずれかに挑戦)。


大会の出場選手やタイトルマッチの挑戦者を“民意”に委ねてしまうというのがDDTらしさ。キャリアの長さや実績ではなく、あくまでファンの気持ちがすべてだ。といって単なる人気投票でもなく、試合で残してきた(勝ち負けではなく)インパクト、頑張りへの評価や今後への期待も票に反映される。ちなみに昨年の1位は男色ディーノだった。

(ユニット部門の中間発表1位は3連覇を目指すDAMNATION)

(C)DDTプロレスリング


今回の中間発表、まずユニット部門は2連覇中のDAMNATIONが1位に。これは順当な結果と言っていいだろう。しかし個人部門は大波乱となった。以下、トップ10のメンバーと得票数である。


1位:伊藤麻希(244票)

2位:高梨将弘(68票)

3位:HARASHIMA(64票)

4位:遠藤哲哉(59票)

5位:佐々木大輔(57票)

6位:男色ディーノ(40票)

7位:MAO(33票)

8位:アントーニオ本多(31票)

8位:赤井沙希(31票)

10位:彰人(30票)


1位はDDT所属ではなく、系列の東京女子プロレスを主戦場とする“クビドル”伊藤。総選挙に立候補するのは初ながら、2位に3倍以上という得票差である。この結果、票数に会場のファンは大きくどよめいた。開始1週間の時点とはいえ、これは間違いなく快挙だ。


当初は「神7入り」を掲げていた伊藤だが、中間発表の結果に「このまま1位になりたい」と目標を上方修正。1位になってKO-D無差別級王座に挑戦し「クソ強い奴から自分のプロレスに足りないものを吸収して伊藤は変わるんだ」「次のステージに進む」ともツイートしている。また伊藤にとってこの総選挙は、東京女子プロレスの存在をさらに広めるためのものでもある。


次のタイトルマッチは9.23後楽園ホールでの王者・里村明衣子vs男色ディーノvs入江茂弘の3wayマッチ。その勝者が、10.21両国国技館で佐々木大輔の挑戦を受ける。伊藤は現時点で、その次の挑戦者の最有力候補になっているというわけだ。里村がベルトを守り続ければ「里村明衣子vs伊藤麻希のKO-D無差別級選手権」が“聖地”後楽園のメインイベントで組まれることになる。いや理論上そうなるというか、可能性はゼロではない。


とはいえ道は長い。投票締切日は10月28日、1ヶ月以上も先なのである。今回の中間発表は、まだ序盤戦だ。今回の結果によって、上位常連選手のファンは危機感を抱き、選挙応援にいっそう力を入れてくるはず。


中間発表の結果には、ファンクラブ会員に与えられる票が大きく影響しているのではないか。躍進が目立つのは伊藤のほか2位の高梨(昨年5位)、7位のMAO(昨年14位)、8位のアントン(昨年18位)。また11位には初出馬のガンバレ☆プロレス・今成夢人がランクインしている。いずれも、今年に入って名勝負、名場面を作ってきた選手だ。CS(ケーブル)のサムライ、AbemaTVでは中継されない大会まで熱心にチェックしているコア層の票が伊藤たちに集中したという分析も成り立つだろう。


コア層の、いわば“基礎票”が入った上で、ここからがさらなる勝負。会場観戦、グッズ購入、DDTグループの居酒屋・バーでの飲食で得られる投票券。その上積みの厚さと長さが重要になってくる。いわば“人気の地力”だ。


伊藤自身「心配なのは中間発表で燃え尽きるファンが増えないかです。中間発表は結果を残した内に入らないし、これで喜んでいいのは今日までです」と記している。


伊藤はこれからの大会で「中間発表1位ってこんなもんか」と言わせない試合を見せなければいけない。ファンも東京女子の観戦では投票券が配布されない状況で長期戦を闘う必要がある。


ただDDTで試合をすれば、東京女子とは違う対戦カードの新鮮さがそのままインパクトにつながるかもしれない。今回の「伊藤麻希、中間発表ぶっちぎりの1位」というニュースによって、伊藤を新たに“発見”する者も出てくるだろう。追い風もあるのだ。


さらに中間発表の翌日、伊藤のツイートを見た里村が「この選手の根性叩き直したい。どうか、挑戦が実現するまで1位を目指して欲しい」とRTする事態に。「足りないものを吸収」ではなく勝つつもりでこいということだろう。これに伊藤は「叩き直してみてください! 里村さんも絶対ベルト防衛してください。伊藤も絶対1位取ってあなたに挑戦しますんで」と返している。KO-D無差別級王者、“女子プロレス界の横綱”の視界に入ってしまったのである、伊藤が。


去年の夏までは九州のアイドルグループ・LinQに所属。ポジションは端であり特典会の列も短かったという伊藤。あげく知らないうちに卒業&新グループ入りが決まっていた。“クビドル”の誕生である。


だがそんな伊藤が“総選挙”の中間発表1位に。リングでつけた自信もあってか、新グループ・トキヲイキルでのライブも輝きを増しているように見える。そしていきなり、里村vs伊藤が“実現が待たれる一戦”になってしまった。少なくとも流れはできた。“機運”というやつである。


そうは言っても人気選手が巻き返すのか。里村戦に向けたストーリーまでできてしまった伊藤がこのまま勢いづくのか。伊藤が最終的に1位になる姿が見たいか見たくないか。それはやっぱり見てみたいと言ってしまおう。


文・橋本宗洋

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