皮膚よりも骨!デスマッチを超えろ! 木高イサミVS竹田誠志、ハードコアケージマッチ開催

(一斗缶ごとニードロップを投下するイサミ。ハードコアの痛みは皮膚よりも骨にくるイメージだ)


DDTグループの団体、プロレスリングBASARAが9月21日に後楽園ホール大会を開催する。ここで代表を務める木高イサミが、勝負カードを切ってきた。竹田誠志とのシングルマッチである。


イサミと竹田は若手時代から意識しあってきた、盟友にしてライバル。デスマッチ戦線でシノギを削り、先に大日本プロレスのデスマッチヘビー級王座を獲得したのはイサミだった。だが竹田は昨年、同王座初戴冠を果たすと現在まで長期政権を築いている。


さらにプロレスリングFREEDOMSのKING of FREEDOM WORLD王座も獲得し、史上初の“デスマッチ2冠”を達成した竹田。2大王座の防衛を重ね、もはや国内の強豪を総ナメ状態な上に、9月に入るとアメリカでもデスマッチトーナメントに優勝している。現在の竹田は“世界のデスマッチキング”と言っていい存在であり、間違いなく今年の年間MVP候補だ。

(デスマッチ2冠、アメリカでもトーナメント優勝とデスマッチ戦線を独走状態の竹田。坊主頭になってさらに凄味が増した)


ほかならぬイサミも、今年6月に竹田と5年ぶりのシングルマッチを行ない、大激闘の末に敗れている(大日本プロレス・デスマッチヘビー級選手権試合)。今回は間を置かず、場所をBASARAに変えての対戦となった。


アメリカで竹田が優勝したトーナメントにはイサミも参戦。今の竹田の充実ぶりを肌で感じているからこそ、相手として「逃したくない」という思いも強いのではないか。ツイッターには「こんなにおいしい相手いないし彼と同じ時代にレスリングしてるのを誇りに思います!」と記している。


今回の対戦はデスマッチではなく「ハードコアケージマッチ」だ。イサミはBASARA旗揚げから一貫して、デスマッチを組んでいない。DDT本隊とはあまり絡まず、一線を引くことで差別化を図ってきたBASARA。イサミたちは大日本プロレスに頻繁に参戦しているが、ホームリングではデスマッチを行なわないことで、こちらも一線を引いているわけだ。

(プロレスの中でも、とりわけデスマッチやハードコアは「やられる姿」も見せ場に)


かつてイサミが語ったところによれば、デスマッチとハードコアの違いは蛍光灯やガラスボードなど皮膚に刺さったり切れたりする凶器を使うかどうか。ハードコアはイスなどの“鈍器”を使うものという分類だ。「BASARAではハードコアの可能性を追求していきたい」とイサミは言う。それだけ掘り起こされていない魅力、可能性がハードコアマッチにはあるということだろう。


実際、BASARAのハードコアマッチは迫力充分、もの足りなさを感じることはない。イス、テーブル、ラダー、一斗缶といったアイテムはインディープロレスファンには“普通”にも見えるが、だからこそ使い方の工夫、選手の頭脳が発揮される。鈍器、つまり「硬いもの」だから、それに体をぶつける痛みは観客にとっても現実的なものとして伝わってくる。


イサミは9月5日のBASARA新木場1st RING大会でもFUMAを相手にハードコア戦。一斗缶を足に装着したFUMAが蹴りを見舞い、ロープに立てかけたラダーにイサミを投げつけ、さらにラダー上からマットに散乱した一斗缶めがけてブレーンバスター。対するイサミはFUMAの体の上にイスを重ね、そこに自ら一斗缶を抱えてダイビング・ダブルニードロップを落としていった。


どう考えても自分へのダメージも避けられないのだが、痛みに耐える、あるいは痛みを狂気で克服するところにデスマッチ、ハードコアの醍醐味がある。怒涛のヒザ連打から必殺の勇脚・斬でFUMAを下したイサミは、竹田戦に向け「世界一のデスマッチファイターにハードコアで勝つ」と宣言してみせた。

(9.21BASARA後楽園のメインは谷嵜なおきvs中津良太のユニオンMAX選手権。両者は9.5新木場の前哨戦でも激しくやり合っている)


9.21BASARA後楽園でのハードコアケージマッチは、デスマッチのインパクトを超えることができるか。名勝負となった6月の対戦から、どんな変化があるのか。おそらくポイントになるのは金網の“高さ”という要素ではないか。


イサミ、竹田という当代きっての“プロレス頭”の持ち主は、すでにそれをフル回転させているはず。DDT映像班兼レスラーの今成夢人によると、2人とも入場前の煽りVTRで使用するインタビューで「このVTR、早く終わってほしい」と語ったそうだ。闘うのが待ちきれないのである。


文・橋本宗洋

続きを見る