山本“KID”徳郁、日本の格闘技の現状を変えたかった 「KRAZY LEAGUE」に込めた深い愛

18日に41歳で亡くなった格闘家の山本“KID”徳郁。2年間の闘病生活をひた隠しにしながらKIDは、「格闘代理戦争」の1st、2ndシーズンで次世代のファイター育成のために尽力し、格闘技への深い愛ともに、新たに次世代の格闘家を育成するという第一歩を踏み出したばかりだった。


1stシーズンでKIDのKRAZY BEE陣営は、テコンドーの逸材・スソンを選出したものの、慣れないK-1ルールに手こずり1回戦で敗退。その直後にKIDからの「またやりましょうよ、戦争を。今度は総合格闘技で」の一声で、総合格闘技で争う2ndシーズンの企画がスタート。「やっぱり(弟子が負けて)悔しいかな。いつでもいいですよ、用意はできています。(選手を)探しにも行きたいし…」とリベンジをすぐにでもやりたいという本音を明かしていた。


自らトライアウト開催を提案し、数多くの志願者の中から選んだKID。落選した選手への配慮も忘れずに、強くなりたいと願えば自身のジムに招き入れ「ウチのジムで練習したいと気持ちをみせてくれたんで。今回の格闘代理戦争が全てじゃないから」と、自ら主催する「KRAZY LEAGUE」へと勧誘、強くなりたいという若手へのフォローを最後まで忘てはいなかったのも、彼の未来に向けた若手育成への意気込みの現れだったと思う。


そんなKIDが新たな登竜門「KRAZY LEAGUE」を設立したのは今年の5月末。


「一見華やかなテレビの中の舞台ですが、実際に格闘技だけで生活出来ている選手はほんの一握りでテレビに出ている選手の中でもごくわずかです。まだまだ日本には格闘技を仕事に出来る様な環境が整っているとは言えないのが実際の現状です。そこで私、山本KID徳郁は今の格闘技の現状を変えていきたいとオンライン視聴型の新しい総合格闘技大会「KRAZY LEAGUE」を創り上げて行きたいと思っています」と、そこにはKIDは先頭に立つ理由と、現在の格闘技界の現状への訴えが綴られていた。


戦う機会に恵まれない地方のファイターたち、バイトや仕事で生計をたてトレーニングを続ける選手たち、そんな人たちが全てトレーニングに時間が使えたらと、同じような境遇からハングリーさひとつで世界に飛び出した堀口恭司選手を例に挙げ「若い選手たちの技術的、精神的サポートもどんどんやっていきたい」という思いとともに、インターネット配信による格闘リーグ「KRAZY LEAGUE」という新たな試みには、格闘技の地位向上や、引退後のトレーナーとしての再就職やケアなど、人生をかけて戦ってきた選手たちのよりよい環境づくり、さらには地方開催による活性化など、格闘技に携わるあらゆる人たちへ彼の優しさや配慮が込められた企画案が数多く盛り込まれていた。


「格闘代理戦争」2ndシーズンで、KIDが若い格闘家に贈った印象的な言葉がある。


「格闘技人生の中でも如何にシンプルに毎日ずっと日々(練習が)出来るかがポイント」 強さへの飽くなき追求を続けてきたKIDが新たに作り上げようとしてた「KRAZY LEAGUE」。その理想や遺志が受け継がれることを願いつつ、応援していきたいと思う。 

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