「アイドルとプロレスの同時進行を言い訳にしたくない」 アプガ(プロレス)に新たな試練とチャンス

(ライブ中のサプライズ発表連発に、アプガ(プロレス)のメンバーはこのリアクション)


10月3日、東京女子プロレスが渋谷のライブハウス・DESEOで大会を開催した。団体初期に小規模な大会を開催してきた、いわばルーツともいえる会場だ。今回はDESEOの移転にともなう「さよならイベント」でもある。


このDESEOなどのライブハウスで行なわれてきたのは、アイドルライブと試合の2部構成イベント。選手が少なく、試合数が組めないためにこの形式となったが、結果として独自のイメージ作りに貢献したとも言える。リングではなく、狭いマットでの試合も独特だ。

(ロープのないマットでの試合。観客との距離も近く独特の熱気が生まれる)


今回は試合はもちろん、ライブもゲストなし。所属選手とレギュラー参戦中のフリー選手のみでのイベントに。また観客動員もDESEO大会で最多で、まもなく旗揚げ5周年を迎える団体の成長ぶりを感じさせた。


メインで勝利したエース・山下実優は初期に使用していたスカートタイプの旧コスチュームで登場し、入場曲も当時と同じ「ジンギスカン」(Berryz工房)。試合後はタッグマッチで対戦した初期メンバー・中島翔子とともにコメントしている。


「お客さんとの近さはDESEOならでは。久しぶりの(旧)コスチュームで恥ずかしかったですけど、喜んでもらえてよかった」(山下)


「(DESEOは)声がダイレクトに届くのでテンションが上がりやすいですね。あの頃(初期)はできることが少なくて、基本のレスリングを狭いところでやるのも精一杯でした。今は狭い中で試合をどう組み立てるかが難しかった。マット(での試合)、たまにはやりたいですね。以前は選手が少なくてゲストさんを呼んでたのに、今は自分たちだけでできる。もっと大所帯にしていきたいです」(中島)


ライブパートには、普段の興行でも歌を披露する伊藤リスペクト軍団(伊藤麻希&瑞希)、アップアップガールズ(プロレス)に加えて婚勝軍の滝川あずさ&のの子、天満のどか&愛野ユキ姉妹、辰巳リカのステージも。“歌える”選手がこれだけいるのも東京女子プロレスならではだろう。


アプガ(プロレス)のライブでは、最後に甲田哲也代表からサプライズ発表。12月31日に渋谷GARRETにて、アプガ(プロレス)初の単独ライブが開催されることになった。大晦日らしく、そのタイトルは「アプガ(プロレス) プロレス女祭り」。


またこの単独ライブでは新曲、新コスチューム(衣装)、メンバー(ラク、ヒカリ、ヒナノ、ミウ)の新リングネームもお披露目になるとのこと。アプガ(プロレス)は昨年8月の初ステージ以来、持ち歌は「アッパーキック!」1曲だけで乗り切り、ここまで155回パフォーマンスしてきたという。時には客席フロアに降りて踊ることもあり、その姿は少ない技で必死に闘う新人レスラーとしての姿勢にも重なった。


「私たちはアイドルとプロレスの同時進行なので、進むのがゆっくりなのかなって思う時もあったんですけど、でもそれを言い訳にはしたくなかった」とメンバーのミウ。サプライズの連続にヒカリが涙を見せる場面もあった。


単独ライブの会場は、約300人のキャパ。満員にできるかどうかは、メンバーのアピールにかかってくる。DESEOではプロレスファンにもリングでのライブとは一味違った姿を見せており、これからも“歌って踊って闘える”同時進行アイドル&レスラーだからこその魅力をさらにアピールしたいところ。大晦日を過ぎれば、今度はプロレスデビュー1周年となる1.4後楽園ホール大会が待っている。


今後に向けての試金石となるのが、10月8日の北沢タウンホール大会だ。ここではメンバー全員にシングルマッチが用意されている。カードは才木玲佳vsヒカリ、優宇vsミウ、伊藤麻希vsヒナノ、上福ゆきvsラク。ヒナノとラクは初勝利をかけた試合だ。


ちなみに上福もここまで未勝利。昨年は伊藤と滝川あずさが初勝利をかけてインパクトの強い連戦を繰り広げており、この上福vsラクも“勝ち負けの重さ”によって両者の見え方が違ってくるはず。


初単独ライブまでに全員が勝利を挙げることができるか。それはレスラーとアイドルの同時進行をしていく上での大事な挑戦だ。レスラーとしての活躍がアイドルとしての魅力に影響し、アイドルとしての経験がレスラーとしてプラスになるのがアプガ(プロレス)。単独ライブへの道においては試合も重要なのである。


文・橋本宗洋

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