「格闘技選手としての力はまだない。簡単にいうと弱い」青木真也、ONEに挑戦する椿飛鳥へ贈るメッセージ

椿飛鳥。名前負けしたところから始まる男。


格闘代理戦争セカンドシーズンを盛り上げた立役者で、ひたむきな姿勢と愛嬌のよさで視聴者からも、番組関係者からも愛された選手です。番組最初から最後まで、一貫して僕に厳しくあたられるも、デスマッチレスラーのように全てを受けて、ひたむきに取り組む姿勢で人を惹きつけました。最後まで折れずにやり切ってくれた彼には僕も感謝しています。彼がいたからこそ、僕の仕事が成り立ちました。ありがとう。感謝しています。


番組中も終了後も、実力がつく前に知名度がついてしまった彼に対して、葛藤していました。


僕が彼を引き上げる行為は彼を苦しめるだけなのではないかとも思ったし、知名度は格闘技の実力ありきであるべきだとも思いました。それでも知名度を得ることは大きなことだし、格闘技界にとってメリットが大きいと考えて僕は前に進みました。番組中も終了後も自己肯定も自己否定もなんどもしたし、ちゃんと喜んで、ちゃんと落ち込みました。


番組終了後も僕にできることはしていこうと思っていたし、実際に連絡を取り合ったり、練習をしたり、アドバイスをしたりしていました。そういえば僕と友人の三浦さん(株式会社GO)や久保田さん(株式会社オトバンク)と食事をして僕の急所を見せたりもしたっけ。恥ずかしい。


椿は格闘技選手としての力はまだない。簡単にいうと弱い。


本人もそれは自覚しています。、番組終了後も仕事をしつつ、懸命に練習をしていました。


彼には番組の効果が効いているうちに次の試合をしないとね!と話をしていました。


彼も同じ考えで、どこで試合をしていけばいいのかと自分の実力を加味して考えていました。


8月21日。彼からラインのメッセージがきました。


ONEのウォーリアーシリーズ(ONEの人材育成大会です)で、7勝0敗のアゼルバイジャン人ともオファーがきたとのことでした。戦績を見るとロシアの格闘技団体ACBでの試合経験もあり、明らかに格上選手です。


どう思うか聞くと、厳しい相手で即答できないとのこと。


そこが弱いしだからダメなんだよと喉元まで出たけども、ぐっと堪えて、考えが出るのを待つことにしました。彼は格闘技業界には珍しく、一般人です。壊れたことが業界にいる条件でないかとさえ感じる業界の中で、驚くほどに一般人です。狂ったところが1ミリもないのです。社会生活を送る中では大切だけど、闘うことに関してはマイナス要素です


僕が彼にファイター、表現者として魅力を感じないのは狂っていないからだとおもいます。


人間としては大好きだけども、表現者としてはまったく乗れないです。


1日経った8月22日。椿から「受けます」との連絡がきます。


悩んだ時点で受けれないと感じていたので、期待はしていませんでした。ただ勝負してほしい気持ちが僕の本音でした。僕と関わったことで僕の小細工の部分だけ真似されたくないし、本質である格闘技で勝負する部分が伝わっていてほしい、淡い期待がありました。受ける旨を聞いたときは驚きと嬉しさがこみ上げてきました。伝えたいことが伝わっていました。伝え方は上手とはいえないけども伝わっていてよかったです。


彼は狂人ではないし、ファイターではない。


ただ彼は狂いたくて、突き抜けたくて、ファイターになりたいと思っています。どうしたら上にいけるか、突き抜けなくてもいいから、身が少しでも立つのかを必死に考えています。僕も彼もこれを読んでくれている人も皆が現状と闘っています。生きることはうまくいかないこと、思い通りにならないことが多くて、辛く苦しいです。それは皆が一緒で、辛く苦しいことを観念して、闘えるかどうかが


勝負です。


運命が決められてるのかもしれない。でも彼は必死に運命に抗っています。


運命に必死に抗う姿に人は魅了されるし、運動が表現に昇華されるはずです。諦めたり、人のせいにするのは簡単で誰でもできることです。観念して自己責任で生きていく覚悟を決めて、立ち向かう人を応援してほしいし、腐ってたり腐りかけてる人は見たら何かが変わるはず。今の椿に僕も勇気をもらって、僕も持ち場で一生懸命闘ってきます。


23歳の若者が好きなことに_出会って、才能もないのに人生を賭けてやる物語。これはただの勝敗のつく試合ではない。物語だ。椿よ。自分の物語を自分で描いて、自分で作るんだ。君の物語では僕は出演者の一人で君が主役なんだ。頑張れ。ずっと応援してる。いい物語にするためにできることは全部するから、いい物語にしてほしい。格闘代理戦争は「ショー」ではないし、人生の交錯で終わらないドキュメンタリーなんだ。


さて最後はこの言葉で締めましょうか。


やってやろうじゃないか。ギブアップでやってやる。


追伸 椿さん。格闘代理戦争サードシーズンは椿さんの対極にある選手です。狂気を持って、境界線の上を歩いている選手です。嫉妬しないでくださいね。博愛。

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