「その焦ってる表情、可愛いよ」伊藤麻希、王者・山下実優を挑発&会心の3カウント!

東京女子プロレスの5周年記念となる新宿FACE大会(12月1日)で締めのマイクを担当したのは、旗揚げメンバーの一人・中島翔子だった。

(山下から一本先取したことで精神的に大きな力を得た伊藤。試合後はやはり中指)

(C)DDTプロレスリング


この日のメインイベントは、1月4日の大一番、後楽園ホール大会に向けた前哨戦。山下実優&坂崎ユカ&瑞希vs伊藤麻希&中島翔子&里歩の6人タッグマッチだ。


1.4後楽園では、山下と伊藤がシングル王座をかけて対戦。タッグのタイトルマッチでは坂崎&瑞希に中島&里歩が挑む。今回はダブル前哨戦というシチュエーションで、試合形式も3本勝負という形式となった。


我闘雲舞から参戦の里歩が先発、シングル王者の山下と初遭遇という新鮮な場面からスタートしたこの試合。一本目を制したのが伊藤だ。しかも1.4後楽園で対戦する山下から直接の3カウント奪取。この事実が伊藤に与える自信、山下にかけるプレッシャーは相当なものだろう。もちろん、山下もそのままでは終わらない。2本目が始まると怒涛の蹴りラッシュを叩き込み、伊藤からフォールを奪い返した。

(伊藤は返し技で決まった1本目のフィニッシュ以外でも成長ぶりを見せた)

(C)DDTプロレスリング


実力差が大きいと見られていたこのタイトルマッチだが、ここにきて前哨戦で「1-1」というスコアを残したことで、本番への興味もさらに高まってくる。ちなみに伊藤が山下をフォールしたのは、アティテュード・アジャストメントを切り返しての丸め込み。こうした相手の隙をついての一発逆転技を“本番前”に使った影響も気になるところだ。


伊藤自身は「まあ一本しか取ってないけど」と言いつつ手応え充分といった表情。山下に対しては「その焦ってる表情、可愛いよ。でも1.4では伊藤がベルト巻くから、焦る必要もない」と挑発してみせた。


伊藤はこの試合の前にDDT後楽園大会(11月25日)で新世代エース・竹下幸之介と対戦。完敗を喫したものの中指を突き立て「自分のやり方は曲げない」という意思表示をしてみせた。


「伊藤は伊藤だから。伊藤のやり方でベルトを獲るつもり。正統派じゃなくても、これまでの東京女子プロレスの概念を一から覆してやろうと。私はいい子ちゃんじゃないし、人の顔色なんかうかがわない。それで異端児とか破天荒とか言われるなら、それで構わないです。伊藤は伊藤なんで」


竹下戦を経て、自分にしかない生き方をすることに「腹を括りました」と伊藤。単に実力がアップしたというより、これまで以上に“伊藤っぷり”に磨きがかかったからこその前哨戦での一本先取だったようだ。


対する山下は「一本取られて、自分自身が許せない」。さらに2本目の逆襲に触れると「1.4はこれじゃ済まないですよ」とも。最初の前哨戦では伊藤の奮起をうながすような闘いを見せた山下だが、今や自分自身も完全に火がついている。


そして3本目は、タッグ王座に挑戦する中島が、王者・坂崎からダイビングセントーンで勝利。ダブル前哨戦は挑戦者チームが制した。


現在のタッグ王者は坂崎&瑞希だが、もとはといえば坂崎と中島もタッグパートナーであり、この2人が初代タッグ王者だ。

(ダブル前哨戦で勝利したシングル&タッグの挑戦者トリオ。5周年記念大会の締めは旗揚げメンバー・中島が担当)

(C)DDTプロレスリング


盟友でありライバルの坂崎に勝利し「(坂崎は)一緒に頑張ってきたのもあるけど負けたくない相手。今日勝てたのは大きい」と中島。この日が初タッグだった里歩も「中島さんが凄く頼もしかった。(タッグとして)これがスタートなので、もっと乗っていけるように仕上げたいです」と語っている。逆に王者組は「浮足立ってたのかなと。中島翔子から取られたという事実に悔しい思いが沸き上がってきます」(坂崎)、「チームワークで上回らなきゃいけないのに誤爆してしまって」(瑞希)。


いまだこのところ東京女子のシングル王座挑戦の機会もなかった中島だが、団体最初の1.4後楽園、さらに2回目と連続でタイトルマッチを行なっている実力者。里歩というパートナーを得て、1.4後楽園ではその力がフルに発揮されるのではないか。またノンタイトル戦では里村明衣子vs才木玲佳のシングルマッチも決定しており、今回の「イッテンヨン」は華やかさに加え各選手のキャリアにおける“勝負どころ”として見逃せないものになってくる。


文・橋本宗洋

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