「心で闘うプロレス」大谷晋二郎、大一番を控えたアプガ(プロレス)に熱血伝授

アイドルとプロレスの完全同時進行で活動するアップアップガールズ(プロレス)が、12月31日に初の単独ライブ「アプガ(プロレス) プロレス女祭り」を渋谷・GARRETで開催する。

(スパーリングで容赦なくヒカリを攻めていった大谷。熱い男は初対面の新人レスラーにも全力だった)


アプガ(仮)の妹分グループとして、昨年のオーディションで選ばれたメンバーはヒカリ、ミウ、ラク、ヒナノの4人。“歌って踊って闘える”のキャッチフレーズのもと、2017年8月にステージデビュー、その後2018年1月4日の東京女子プロレス・後楽園ホール大会でリングデビューを果たした。「人気タレントがプロレスデビュー」という形ではなく、あくまで“ド新人”からスタートしたグループだ。


成り立ちも活動形態もとにかく独自なのがアプガ(プロレス)。持ち歌は現在まで「アッパーキック!」1曲だけ。さまざまなイベントで、この曲を何度も繰り返しパフォーマンスすることでインパクトを残してきた。


大晦日の初単独ライブでは、ついに新曲を2曲披露することに(うち1曲のタイトルは「アッパーチョップ!」だ)。新衣装(コスチューム)、新リングネームもお披露目となる。ライブ中にプロレスの試合を行なうことも決定。ヒカリ&ミウvs山下実優&中島翔子、ラク&ヒナノvs大石真翔&ハイパーミサヲのタッグマッチ2試合だ。

(メンバー同士のスパーリングを見て的確なアドバイスも)


プロレスラー志望でオーディションを受けたヒカリは、メンバーの中でも特に“プロレス担当”という面が強く、単独ライブにあたっても「アプガ(プロレス)の単独ライブには欠かせない」と試合を望んでいた。


試合はリングではなくマットを敷いただけの「マットプロレス」。ライブハウスでのマットプロレスは、東京女子プロレスのプレ旗揚げ期と同じ形式だ。しかも山下&中島は団体の初期メンバー。新コスチューム、新リングネーム1戦目でこのシチュエーションは「東京女子プロレスの選手」として大きな意味を持つ。


12月26日には、単独ライブに向けてプロレスリングZERO1の道場で出稽古を敢行した。ここで4人を指導したのは、日本を代表するレスラーの一人である大谷晋二郎。練習は基礎体力、受身から丁寧に行なわれ、メンバー同士のスパーリングでは、大谷から「プロレスは闘い。これ(ヘッドロックなどの基本技)で決まることもある。どんな技でも簡単には外さないこと」といったアドバイスが送られた。


単独ライブに向けては、映像配信される“強化企画”に各メンバーが挑んでおり、この出稽古はヒカリのための企画。しかし名選手・大谷の熱い指導を受けたことは、他のメンバーにとっても得るものが大きかっただろう。


練習の最後には、大谷とヒカリが試合形式でスパーリング。ここでも大谷はいっさい手を抜かず、ヒカリに厳しい攻撃を叩き込んでいった。


ヒカリができたのは必死になってエルボーを連打することくらい。しかしヒカリの最大の持ち味は泥臭く相手に食らいついていくところだ。大谷の闘いぶりは、それを分かった上で引き出すかのようでもあった。

(練習にはZERO1の岩崎永遠、北村彰基も参加。アプガ(プロレス)メンバーにとっては慣れない練習だからこそ勉強になったはず)


ボコボコにされながらも向かっていく姿勢を崩さずにスパーリングを終えたヒカリ、そしてメンバーたちに、大谷は「これが僕の思うプロレスです。見てくれもへったくれもない。ここ(心)で闘うプロレス」と語りかけた。


また大谷はアイドルとプロレスの同時進行について「二足のわらじと言う人もいるかもしれない。でも二足のわらじで頑張ることができるのは、本当に勇気がある人間だと思います」というメッセージも。同時進行=中途半端と捉える者もいる中で、この日が初対面だったにもかかわらずアプガ(プロレス)の核心をつく言葉でメンバーを力づけたのだった。


ヒカリは学生時代、学校で大谷の講演を聞いてそれまで以上にプロレスに惹かれた思い出があるという。その大谷とのスパーリングは、アプガ(プロレス)という特殊なグループ、ライブの中での試合という特殊な状況がなければ実現しないものだった。


「この経験でもっと強くなれるんじゃないかと思いました」とヒカリ。「大きい技をいっぱい覚えたいと思ってたんですけど、小さい動き、レスリングの部分も身につけなきゃいけない」という気づきもあったようだ。


そしてあらためて、プロレスの面では自分がメンバーを引っ張るという思いも強くした。ヒカリ曰く「私が一歩前に出て、みんなの頑張る気持ちを引き出したい」。


1月4日、恒例の東京女子プロレス・後楽園ホール大会ではレスラーデビュー1周年を迎えるアプガ(プロレス)。この大会では8人タッグマッチが組まれ、初めて4人で組んで闘うことになった。


そこで出るのはグループならではの団結力か、あるいは個々のライバル意識か。アプガ(プロレス)は大晦日の単独ライブという“決戦”を経て、レスラー生活2年目に臨むことになる。


文・橋本宗洋

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