「結局はその程度」DDT王者・佐々木、“病院送り”の吉村に「受け身取れないならリングに上がるな」

(佐々木が放ったペディグリー。吉村は脳天からマットに突っ込んでしまった)


 昨年10月のDDT両国国技館大会で男色ディーノを倒し、KO-D無差別級チャンピオンになった佐々木大輔は、ベビーフェイスでもヒールでもない独自の存在感でファンを魅了し、戸惑わせている。


 本人曰く、ヒールではなく「パンク」で、ニックネームは「カリスマ」。佐々木率いるユニット・DAMNATIONのモットーは「群れない、媚びない、結婚しない」である。試合運びはテクニカルだが、同時にハードコアマッチもお手の物。頭から思い切り突っ込むトペ・スイシーダの迫力と美しさも一級品だ。


 試合後のマイクやコメントでまともなことはほどんど言わない。両国大会では、ディーノを棺桶にぶち込んだまま観客置き去りで大会を終わらせた。リアクションに困るというか、単なる興奮や感動では済まさないというスタンスだ。


 12月30日の後楽園大会では、佐々木&プーマ・キングvs吉村直巳&サミー・ゲバラのタッグマッチでアクシデントに見舞われた。アメリカ遠征から戻ったばかりの吉村は、帰国後すぐ佐々木に挑戦要求。1.3後楽園でのタイトルマッチが決まっていたが、この試合で佐々木のペディグリーを受け、頭からマットに突っ込んで立ち上がれなくなってしまう。結果はレフェリーストップによるTKOで佐々木の勝利。吉村は担架に乗せられて退場、救急車で病院に運ばれることになった。


 病院での診断は「頸椎捻挫」。大事には至らず、遠くないうちに復帰できそうだとのこと。とはいえ試合直後の場内は、当然ながら静まり返ってしまった。メインの竹下幸之介vs潮崎豪で盛り返したものの、あらためてプロレスの怖さを感じさせられる光景だった。

 (試合後のインタビュースペースで、負傷した吉村に厳しい言葉を投げかけた佐々木)

 

予定されていた試合後のコメントも、いったん中止に。勝った佐々木にしてもコメントできる状況ではないと思われた。しかし、メインまでの選手のコメントが終わったところでインタビュースペースに姿を現した佐々木は、いつもと変わらぬ、というよりいつもより厳しい言葉を残し、周囲を驚かせたのだ。


 「今頃、俺のことたくさん(の人間が)批判してるだろ。俺からしたらよ、どうでもいいよそんなのは。結局は吉村、その程度だったってことだ。俺だってよ、これ(ベルト)獲るために13年くらいさんざん受け身取ってきたよ。あんなたった一発、受け身取れねえんだったらよ、とっととやめて田舎に帰ってサラリーマンにでもなったほうがいいよ。リングの上をナメんじゃねえって。みんな覚悟を持って上がってるとか言うけど、俺は覚悟なんてもってねえ。なるようにしかなんない。アイツはなるようにああなった。受け身が取れないならリングに上がるなって。ゼロからやり直せ。アメリカでストリップばっか行ってるからだ。(1月)3日はあれだ、ハワイ行く。休みだ休み、相手いねえんだから」


 本音なのか、あるいは「チャンピオン・佐々木大輔」としての言葉に徹したのか。いずれにしてもプロである。このプロとしてのプライドが、佐々木をチャンピオンたらしめているのではないか。おそらく佐々木は「ケガをさせてしまった方のメンタルも心配」などとは絶対に言われたくなかったのだろう。「覚悟」でさえないという領域。このコメントにもまた、プロレスの凄味と恐ろしさが凝縮されていた。

文・橋本宗洋

続きを見る