「デスマッチ、男女対決、大コール」 英団体Fight Club Pro日本大会は成功、DDTとの提携も

(1.7後楽園。里村は戸澤とドリームタッグを結成。試合後の戸澤は「とにかく後楽園で闘えて楽しかった」) 


 イギリスのプロレス団体Fight Club Proが、初の日本大会を1月7日に開催した。


 会場は後楽園ホール。日本で大会を開催するだけでなく「後楽園で」というのも主催者側の希望だったという。この会場は世界中のプロレス関係者、ファン、選手にとっての“聖地”なのだ。試合前、リング上で挨拶を行なったのは共同オーナーのマーティン・ザキ氏とセンダイガールズプロレスリングの里村明衣子。“女子プロレス界の横綱”里村はFight Club Proのチャンピオンでもある。昨年、DDT王座獲得で話題を呼んだ里村だが、イギリス遠征でも男子選手の中でベルトを巻いていた。


 Fight Club Proからの「日本で、後楽園でショーをやりたい」という相談を受け、実現に協力した里村は「Fight Club Proの大会は毎回満員で大人気。イギリスのプロレス熱は本当に高いんです。そのことがまだ日本には浸透していなかったのでやってみるまでは不安でしたが、試合を見てもらえば絶対に受け入れられるという自信がありました」と言う。


 この日、組まれた6試合のうち、1つはOWE提供試合の#STRONGHEARTS対決。5つが日本の選手とイギリスから来日した選手の組み合わせだった。里村はWWEから参戦の戸澤陽とタッグを結成し、クリス・ブルックス&キッド・ライコスと対戦。ブルックスをスコーピオライジングで下している。この試合は気持ちいいくらいに分かりやすい、ベビーフェイスvsヒールの“勧善懲悪”。その構図に、対格差のある男子選手に立ち向かう里村の姿が見事にハマった。もちろんそれは、男子と闘うこと、勝つことに違和感がない里村の力量あってのことだ。

(メインでとてつもないインパクトを残したハボック。試合後には竹田との再戦も要求)

 

 里村勝利の盛り上がりに続いてのメインは4WAYデスマッチ。ジミー・ハボック、リッキー・シェイン・ペイジ、ドリュー・パーカーに加え、日本からは竹田誠志が出場した。セミの“勧善懲悪”からメインの“狂気”へという流れはコントラスト抜群。蛍光灯が乱打され、映像クルーも攻防に加わるという斬新な展開も盛り上がりを加速させた。フィニッシュはハボックの雪崩式カナディアンデストロイヤー。相手もろとも前方回転しながらのジャンピング・パイルドライバーという超荒技で、しかも雪崩式。それを蛍光灯で組んだ櫓の上に決めるという凄まじさだった。


 客入りも上々、会場の熱気を含めFight Club Proの日本初上陸は大成功だったと言っていい。日本勢とイギリス勢の対戦という形も“見やすさ”につながっていた。里村曰く「日本から参戦していただいた選手もトップレスラーばかり。それはイギリスに各団体の選手を呼ぶことでできた人脈があるから。1年、2年かけて作った信頼関係が大きいんです」。


 Fight Club Proの大会に日本の選手が出場しているのは、むしろ普通のことと言えばいいだろうか。“イギリス直輸入”でも“日本向けローカライズ”でもなく、印象づけられたのは世界のマット界が“地続き”だということだ。海外遠征の中でそれを実感してきた里村は「世界中にはまだまだ面白いプロレスがあるんだよっていうことを知っていただきたいです」と語っている。

(1月3日のDDT後楽園大会で、DDTとFight Club Proの提携が発表。写真左が共同オーナーのザキ氏)

 

 外国人の観客も多く、日本とは一味違うチャント(コール)も発生していた会場では、大会終了とともに「Fight Club Pro!」コール、さらに「Please comeback!」コールも。イギリスからやってきた団体は、母国から遠く離れた“聖地”に確かな一歩を記した。この日の観客の多くが、次回大会があれば駆けつけるのではないか。


 またFight Club Proは、DDTとの業務提携も発表。女子も含めた選手の派遣など、協力体制を築いていくという。「日本の精神面やフィジカルをイギリスの選手が学び、日本の選手がイギリスのテクニカルなスタイルを学べば、新たなスタイルができる」とザキ氏。DDTの高木三四郎社長は若手選手の長期修行も考えているそうだ。


 「英国修行ってロマンあるなと。“リバプールの風”っていう有名な言葉もありますから。うちの選手も“リバプールの風”にしたいですね(笑)」(高木)


 DDTも今年、アメリカで興行を開催する。“世界”がより身近になっていくであろう2019年、Fight Club Pro日本大会は、その幕開けとして位置付けられるものでもあった。


文・橋本宗洋

写真:(C)DDTプロレスリング


(C)AbemaTV


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