「いいんですか? ベルトもらっちゃいますよ」天満のどか、王者・山下の逆指名で2.23シングル王座戦

(妹であるユキとの合体攻撃を山下に決めたのどか。ここからはシングルでの本領発揮のチャンスになる) 


 昨年、恒例のイッテンヨン(1.4)後楽園ホール大会で才木玲佳を下し、王座奪還に成功した山下。それ以降、東京女子プロレスのシングル戦線はTOKYOプリンセス・オブ・プリンセス王者・山下実優の独走状態が続いている。今年の1月4日は伊藤麻希相手に防衛してみせた。V7は自身が持つ同王座の最多防衛記録をさらに更新するものだ。キックを中心とした試合ぶりの迫力だけでなく、試合に臨む姿勢や醸し出す雰囲気も含め、今の山下はチャンピオンとしての風格充分。それだけに挑戦の名乗りをあげるのも簡単ではない状況だろう。実際、1.4以降チャレンジャーは現れていなかった。


 そんな中、山下は自ら挑戦者を逆指名。1月26日の板橋グリーンホール大会、メインの山下&上福ゆき&渡辺未詩vs天満のどか&中島翔子&愛野ユキが終わった直後のことだった。試合はのどかが未詩にキルスイッチで勝利。すると敗者チームの山下がマイクを握り「のどか、近いうちにやろう。ただのシングルじゃないよ。タイトルマッチ、どうですか」。


 逆指名に「予想外なんですけど」というのどかだったが「いいんですか? ベルトもらっちゃいますよ」とも。

(山下からの対戦要求に一瞬、戸惑いの表情を見せたのどか。この場面に象徴される“距離”をどれだけ詰められるか) 


 のどかは昨年夏のトーナメント・東京プリンセスカップで山下に勝利しており、山下にとってはリベンジの意味合いも強い相手。王者が“挑む側”でもあるという構図だ。この板橋大会では、山下のハイキックを直撃されたのどかがすぐに反撃に転じる場面も。フィジカルと気持ちの強さも、山下が逆指名を決めた理由の一つだという。そして何より「強い相手と闘うのが一番楽しい。今、のどかと闘うのが一番楽しいと思います」と山下。


 のどかは山下に勝ち、トーナメントでベスト4に入ると、その翌月にリングネームを「のどかおねえさん」から天満のどかに改名。コスチュームも一新して実績を上げてきた。同時に妹の愛野ユキと写真集を発売するなど、ファンからの人気も高い。


 現時点でチャンピオンが最も実力を認めているのどかは、今回がシングル王座初挑戦になる。これまでも挑戦したいとは思っていたが「気持ちが決まりきらないところがあって」。

シングル王座はのどかの同期であり、現在はフリーとして海外で活躍している優宇がかつて保持していたもの。昨年夏には山下に挑戦し、団体史上屈指の激闘を展開した。


「私のキャリアの中では、シングルのベルトというと優宇の思い出が蘇る」とのどか。気持ちの面でも一歩引いていたということだろう。しかし王者からの逆指名に「今、この時が私がベルトを求めていい時なんだなって」。


 これまでタッグ王座挑戦はあったのどかだが、シングルプレイヤーとして、タイトル挑戦者としてどんな闘いを見せるかは興味深い。ショルダーアタック、バックフリップなどシンプルな技の重量感は山下に真っ向から対抗できるものだろう。何より重要なのは、王座獲りにどこまで貪欲になれるか、「誰よりも強さを知っている」優宇がいないリングで吹っ切れた闘いを見せられるか。2月2日の板橋大会では、前哨戦として山下&未詩vsのどか&ユキがマッチメイク。ベルトを見据えた闘いの中で選手が成長していくこともあるだけに、2.23新宿まで、すべての大会がのどかにとって重要な意味を持つことになる。


文・橋本宗洋

(C)DDTプロレスリング


(C)AbemaTV


1.4 TOKYOプリンセス・オブ・プリンセス選手権試合”山下実優 vs 伊藤麻希

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