元修斗王者・勝村、前日夜に思いついた“完全サプライズ”で「ガンバレ☆プロレス」入団表明

(必殺技ニンジャチョークでタイトル防衛を決めた勝村。首固めからの連携という勝村ならではのフィニッシュだった)


 2013年、DDTグループで居場所がなくなった大家健がたった一人で旗揚げしたガンバレ☆プロレスだが、昨年から所属選手が急増している。


 5月にインディーマットの名物選手・翔太が正式入団。夏にはDDT若手ブランド・DNAの活動休止に伴い岩崎孝樹が加入、DDT本体からも豊富なキャリアを持つ石井慧介がレンタル移籍してきた。フリーの春日萌花もレギュラー参戦しており「ガンプロの一員」と言っていい。代表兼エースの大家は昨年後半から不調なのだが、新エース・今成夢人や新加入選手の活躍によって、団体は独自の熱をキープしている。


 1月26日の板橋グリーンホール大会、メインイベントのインディペンデントワールド世界ジュニアヘビー級選手権試合では王者・勝村周一朗と翔太が対戦。昨年、両者はリングのないマットプロレスで対戦すると、頭脳とテクニックを駆使した好勝負を2度にわたって展開した。結果は1勝1敗。1.6下北沢大会で勝村が石井を下してベルトを巻くと、すぐにお互いが対戦要求し、この王座戦が決まった。

(敗れはしたが翔太も巧みなテクニックで観客の目をくぎ付けに)


 翔太はトリッキーな攻撃も含めテクニックの引き出しが持ち味。勝村はもともと総合格闘家で、修斗の元世界王者にもなった。それでも“格闘技スタイル”だけにこだわらず、プロレスと総合を融合させた闘いを確立している。


 リングでのベルトをかけた対戦が決まると「2人にしかできない闘いがある」と口を揃えた勝村と翔太。実際、試合は31分01秒という長時間、まったく飽きさせない中身の濃いものとなった。序盤のグラウンドから緊張感みなぎる展開が続く。通り一遍の雑な動きがまったくないから目が離せない。


 マットプロレスでも見られたテクニック合戦から、翔太がトペ・コンヒーロ。リングだからできる場外弾でペースを掴む。勝村はスリーパーホールド、腕ひしぎ十字固めといった“格闘技系”の極め技に加え翔太の得意技であるシャープシューターも。勝村が蹴りを連打、翔太はフロッグスプラッシュと勝負をかけ、最後は勝村が首固めからニンジャチョークに移行してギブアップを奪った。翔太が丸め込んできたところを返しつつ、修斗王座を奪取したのと同じ十八番の絞め技。この落差のある連続攻撃も勝村ならではだろう。


「持ってる技を全部出して、そこから相手が予測してない技を出そうという闘いをしたら30分超えてましたね」と勝村。翔太は「全部出し切りました。お互いスタイルは違うけど、どんなスタイルであれプロレスはプロレスなんだなって」と語った。

(最後は勝村も加わった所属男子選手で記念撮影。ここからガンプロは新たなフェイズに入ったと言える)


 メジャーもインディーも関係ない“プロレス”で観客を魅了した勝村と翔太。試合後の勝村は「2大会連続、所属じゃない俺がデカい顔して、お前ら恥ずかしくねえのか?」とガンプロ勢を挑発すると「恥ずかしい思いをさせるのは今日で最後だ。今日をもってガンプロ所属になってやる! 勝村周一朗がガンプロを盛り上げてやる!」と完全サプライズでの入団表明。


 この入団表明は完全なサプライズで、試合前日の夜に思いついたという。昨年はガンプロ陣営と敵対してきた勝村だが、それもガンプロを盛り上げたいという思いからだった。「どうやったらガンプロが盛り上がるか、どうやったらガンプロがバカにされないか。そのためには所属になったほうがいい。ガンプロ凄いって思わせたいです」と入団への思い明かした勝村。修斗で世界を制し、選手育成の手腕でも知られる勝村は、ガンプロにおける“強さ”の支柱というべき存在だ。所属となることで、その意味合いはさらに増すことになる。「弱いけど頑張る」のがガンプロ。しかし石井、岩崎に勝村も加わった現在は「弱いと言わせないために頑張る」ことが大きなテーマだ。


文・橋本宗洋

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